12/31/2011

ビッグベンド国立公園の基本情報

ビッグベンド国立公園は東京都の1.5倍の大きさであることは以前のブログ「ビッグベンド国立公園の魅力」で書いた。滞在期間が3日以上の場合はゆとりを持って公園を堪能することができるが、日帰りもしくは1泊しかできない場合は、効率的に各見所を訪れる必要がある。ここでは何回か訪問した時に気付いた点を書いていく。

ビッグベンド国立公園の地図
アクセス:

まず最初に公園へのアクセスだが、公園に入るためのエントランスは2か所ある。一か所はUS-385を南下して北側から入る方法だ。ゲートシティーは公園から40マイルほど北にあるMarathon(マラソン)という小さな町である。ガソリンスタンドやレストランはもちろんのこと、とても有名なGage Hotel(ゲージ・ホテル)がある。また、このマラソンという町は、映画Paris, Texasのロケ地だ。

Marathonを10マイル(16km)ほど南に向かうと、Border Patrol(国境警備パトロール)がある。ビッグベンドへ向かう場合には減速して通過できるが、ビッグベンドからMarathonへ向かう時は一時停止しパスポートを見せる必要がある。ボーダーパトロールから30分ほどで公園のゲートに到着する。この入り口にほど近いビジターセンターがPersimon Gap(パーシモンギャップ)ビジターセンターだ。

もう一か所の入り口は公園の西側にあるMaverick Junction(マベリック・ジャンクション)だ。エルパソから来る人は大抵こちらから入園する。ここのゲートシティーはStudy Butte(スタディー・ビュート)およびTerlingua(タリングア)となっている。レストラン、ホテル、ガソリンスタンドなどがある小さな町である。付近にはゴーストタウンもある。少し西に走ったところにはLajita(ラヒータ)という町があり、ここではリオ・グランデ川のラフティングやジープツアーを申し込むことができる。さらに西に走るとBig Bend Ranch State Park(ビッグベンド・ランチ州立公園)となる。

Panther Junction Visitor Center
ビジターセンター:

公園内にはビジターセンターが5か所ある。US-385にあるPersimmon Gap(パーシモンギャップ)、公園西側のRio Grande Village(リオグランデ・ビレッジ)、公園の真ん中にあるPanther Junction(パンサー・ジャンクション)、チソス山脈内のChisos Basin(チソス・ベイスン)、そして公園南西にあるCastolon(キャストロン)ビジターセンターである。

1年中空いているのはパンサージャンクションおよびチソスベイスンの2つであり、オフシーズンとなっている夏の間(5月~10月)は他のビジターセンターは閉鎖されている。

ビジターセンターでは公園の基本的な情報はもちろんのこと、バックカントリー許可証やラフティングの許可証なども発行してもらえる。他の国立公園と同様、本やお土産なども豊富にそろっている。

Panther Junctionのガソリンスタンド
ガソリンスタンド:

また、公園内にはガソリンスタンドが2か所ある。値段は少し高めになっているが、公園に数日滞在する場合は給油の必要性がどうしても出てくる。年中オープンしているのはPanther Junctionビジターセンターの隣にあるガソリンスタンドだ。現在は店内に入ることなく給油できるようになっている。もう一か所は公園の東にあるRio Grande Villageにあるが、ここは夏の間は閉鎖されている。

カサ・グランデがよく見える
Chisos Basinのキャンプサイト
キャンプグランド:

その他の施設だが、Rio Grande Village、Chisos Basin、およびCastolonの3か所にキャンプグランドがある。サイト数はRio Grande Villageが一番多く100サイト近くある。しかし、人気が一番高いのはやはりChisos Basinキャンプグランドだ。予約が不要なFirst-come First-serve(早い者勝ち)のサイトの場合は、まずChisos Basinから埋まっていく。

11月から4月までの期間は、キャンプグランドにある半分のサイトが予約可能となっている。5月から10月までは早い者勝ちのシステムであるため、到着次第空いているサイトを探し確保、お金を払うシステムとなっている。現金、クレジットカードのどちらでも支払いは可能だ。キャンプグランドの所々に水洗トイレや食器洗い場、飲料用の水道が備え付けられている。

しかし、シャワーがあるのはRio Grande Villageのみとなっている。キャンプグランドにはシャワーはなく、キャンプグランドから少し離れたところにあるコンビニの中に3つ備え付けられている。24時間使用可能だが、5分で$1.50だ。使い方は洗濯機、乾燥機と同様でQuarterコインを指定の場所に6枚挿入する仕組みとなっている。コインを押しこむとシャワーから水が出る。両替機はシャワールームの外に1台あるが、併設されているコンビニのレジでも両替してくれる。

キャンプサイトに備え付けられている
ベアボックス
各キャンプサイトにはピクニックテーブル、そしてBear Box(ベアボックス)が備え付けられている。ピクニックテーブルの上に屋根が付いているサイトもある。Bear Boxは熊やその他の野生動物から食べ物を保護する目的で配置されている。食べ物や水はもちろんのこと、匂いのあるシャンプーや歯磨き粉、ハンドクリームなどもすべてベアボックスか車の中に入れておく必要がある。

ロッジ:

公園内の唯一のロッジはチソス・ベイスンにある。ここにはコンビニやレストランがあり生活にはまず困らない。通常は予約を取らなくても大丈夫なようだが、Thanksgiving(感謝祭)、クリスマス、春休みは一番込む時期であるため早めの予約が必須である。ロッジには冷蔵庫やテレビなどはなく、とてもシンプルな造りになっている。

走行距離:

ビッグベンド国立公園の見所は、公園真ん中にあるチソス・ベイスン、東側のリオグランデ・ビレッジ、そして西側のキャストロンだ。それぞれの場所に移動するには時間がかかるので、時間がない場合は一番見たい場所を決める必要がある。

まず、北側から公園に入る場合、パーシモンギャップ・ビジターセンターからパンサージャンクション・ビジターセンターまでは28マイル(45km)ある。公園内の速度規制は45マイルであるため45分ほどかかる。公園の中心に位置するパンサージャンクション・ビジターセンターからの距離はそれぞれ以下のようになる。

  • パンサージャンクション ⇔ リオグランデ・ビレッジ: 21マイル(34km)
  • パンサージャンクション  ⇔ チソス・ベイスン: 6マイル(10km)
  • パンサージャンクション  ⇔ マベリック・ジャンクション: 23マイル(37km)
  • Ross Mawell Scenic Drive(ロス・マックスウェル・シーニックドライブ): 30マイル(48km)

リオ・グランデ・ビレッジに向かう道
パンサージャンクションからリオ・グランデ・ビレッジまでは、グランドキャニオンの岩壁に似ているSierra del Carmen(シエラ・デル・カルメン)をめがけて走ることになる。リオ・グランデ・ビレッジは東に位置することから午後から夕方にかけて行くのがオススメだ。リオ・グランデ・ビレッジの西側にあるOverlook(オーバールック)からは、オレンジ色に染まるシエラ・デル・カルメン、空の色に反射したリオ・グランデ川がよく見える。


チソス・ベイスンへ向かう道
Panther Junctionからチソス・ベイスンまでの距離はほんの6マイルだが、細い急カーブが続く道を登っていく。速度規制は急カーブでは10マイルなので、全くと言っていいほどスピードは出せない。

途中には人気トレイルのLost Mineトレイルヘッドが左側にあり、公園のシンボル的存在であるカサ・グランデやウィンドウが見えてくる。


Ross Maxwell Scenic Driveからの
景色
Ross Maxwell Scenic Driveは公園西部を南北に走る舗装路だ。シーニックドライブと名前が付いているだけあって、この道路からの景色は絶景だ。左側にはチソス山脈が見え、奇妙な形を岩が次々と現れる。

所々にオーバールックがあり立ち寄れるようになっている。この道路の最終地点は、メキシコとアメリカを隔てる大きなキャニオン、Santa Elena Canyon(サンタ・エレナ・キャニオン)だ。このサンタ・エレナ・キャニオンは西側に位置するため、早朝がオススメである。夕方だとどうしても逆光になってしまう。

注意事項: 

盗難に注意の看板
ビッグベンド国立公園はメキシコに面しているだけあって、他の公園には存在しないビッグベンド特有の問題がある。ドラッグの密輸や違法滞在者などの問題があるため、怪しい人を見かけた場合はすぐにレンジャーに報告することが推奨されている。また、リオ・グランデ川付近に駐車する場合は、現金やパスポートなどの貴重品は必ず身に付けるか、外からは見えないトランクなどにしまっておく必要がある。川沿いの駐車場では頻繁に盗難が発生している。

11月下旬でも30℃を超える日がある
また、砂漠気候であるため、夏のハイキングや未舗装路の運転には注意する必要がある。リオ・グランデ付近の低地では、日陰でも40℃を超え、直射日光だと50℃にもなると言われている。そのため、この公園のピークシーズンは秋から春にかけてであり、夏の砂漠でのハイキングは推奨されていない。未舗装路を走る場合は、十分な水や食料を積んでいくことをオススメする。ハイキングでは長袖長ズボン、帽子はもちろんのこと、水は1ガロン(4L)が推奨されている。

最後に、パスポート、ビザスタンプ、I-94、もしくはグリーンカードはお忘れなく。ボーダーパトロールを通過する際に見せる必要がある。もし手元にない場合は、罰金、投獄の可能性がある。ここのセキュリティは厳しく、基本的に空港での入国審査と同じような感じだ。

まとめ:

この公園を満喫するには、2泊3日以上の滞在がベストだと思う。それ以下の日程でも公園を楽しむことはできるが、ほとんどが運転で終わってしまう。しかしながら、車の中からでもビッグベンドの壮大さは十分すぎるほど伝わってくる。

ここに書いた情報は、私自身が訪問した時に感じたことや、National Parkのウェブサイト、Wikiなどを参考にしている。雨季時には洪水で道路が閉鎖したりすることもあるので、出かける前にNational Parkのウェブサイトに目を通すことをオススメする。

12/29/2011

ビッグベンド国立公園の魅力

Big Bend National Park(ビッグベンド国立公園)は、私の中ではお気に入りナンバーワンの公園である。

車で行ける距離(といっても130kmで飛ばして8時間の運転)にあるため、年に数回足を運べるからかもしれない。公園を訪れるたびにその魅力に取り憑かれ、どんどん追求したくなる場所である。

ビッグベンド国立公園の位置
ビッグベンド国立公園はテキサス州の南西部に位置する。州の最も西にあるエルパソからでも5時間、サンアントニオからも6時間、州都オースティンからは8時間、ヒューストンやダラスからはそれぞれ11時間ほどかかり、思いつきで気軽に行ける場所では無いのである。さらに、その周りには小さな町が点在しているだけで観光名所らしき場所は存在しない。そのためか、ビッグベンド国立公園を訪れる人の大半はテキサス州在住者であり、訪問者が少ない国立公園としても知られている。

大きさは東京都の約1.5倍と広大な広さを誇りながらも、舗装されている主要道路は5本しかない。公園内の観光名所である、Chisos Mountains(チソス山脈)、公園の東に位置するRio Grande Village(リオグランデ・ビレッジ)、公園の西側にある大きく口を開けたSanta Elena Canyon(サンタエレナ・キャニオン)の3箇所へは舗装路が走っているため、これらの場所へのアクセスはすべての車で可能であるが、公園の大部分は未舗装路のみでのアクセスとなっている。そのため、この公園をくまなく探索したいのであれば、車高の高い4WDがお勧めだ。

公園の中央に位置する
Chisos Mountains
公園でのおもなアクティビティは、ハイキングとバックパッキングである。舗装路からの景色だけでもビッグベンドの良さは十分に伝わるが、150マイル(240km)以上のトレイルシステムを持つこの公園をより深く味わうには、やはり自分の足で歩くことだと思う。車から見る景色とは想像もつかない絶景が、公園のさまざまな場所に隠されている。それは、宝探しをしている感覚と同じなのかもしれない。だからこそ、私も含めこの公園に魅了された人たちは、何度も公園に散りばめられた「宝」を探すかのごとく、辺鄙な場所にある公園を再訪するのだと思う。

公園の西側にある
Santa Elena Canyon
訪問時期は年中可能で、比較的いつでも空いている。ただし、3月中旬の春休みの時期と、11月の感謝祭、12月のクリスマスはロッジやキャンプサイトが一杯になり、一番混む時期とされている。チワワ砂漠に位置するこの公園は、典型的な砂漠気候であるため、標高の低い場所では夏場は40℃を超え、冬は氷点下になる日も少なくない。Chisos Mountains(チソス山脈)のあるChisos Basin(チソスベイスン)は、夏でもそれほど暑くなることもなく、夏のハイキングも可能だ。春にはワイルドフラワーが咲き乱れ、秋には山の一部が紅葉する。数多くの生き物が存在し、季節ごとに違った顔を見せるのである。

US-385を南下したところにある
Big Bend NPの看板
最初にこの公園を訪れた2007年、国立公園に魅了されていた私は、ただ単に国立公園に指定されていたという理由でこの公園に足を踏み入れた。当時は、一つでも多くの国立公園を訪問しようと躍起になっていたのかもしれない。この訪問では1泊することもなく、日帰りで車の中から景色を堪能するだけだった。荒涼とした大地、澄み切った青空が果てしなく続く。グランドキャニオンやヨセミテ国立公園にあるような華やかさはなく、どちらかというと孤独で人を寄り付かせない雰囲気だった。しかし、一旦足を踏み入れると、期待を上回る絶景を見せてくれた。「また来てみたい!」そう思わせる場所だった。

Lost Mineトレイル頂上
この訪問以来、ほぼ毎年ビッグベンド国立公園を訪れている。公園を去るときに必ず思うのは、「また来よう」の一言だ。その思いが次の訪問へ繋がっている。もし「気になる国立公園だけど、あと一歩というところでためらっている」人がいたら、是非その一歩を踏み出してもらいたい。きっと新しい発見と感動があると思う。

12/28/2011

150万匹のメキシコ・オヒキコウモリの飛行 Part 3

テキサス州オースティンの夏の風物詩、メキシコ・オヒキコウモリの飛行を見る方法の3つめを書いていこうと思う。個人的にはこの方法が一番のお気に入りだ。

オースティンのLady Bird Lake沿いには、カヤックやカヌーをレンタルできる場所がいくつかある。夕方の夏、コウモリを川の上から見たい場合、どこでレンタルすればいいのだろうか?いくつかある中でもCongress Bridgeから徒歩数分にあるCapital Cruisesが一番お手軽だと思う。カヤックやカヌー、パドルボートの他、クルーズツアーも開催している。

クルーズツアーは夏の間は結構混むため予約が必要だが、カヌーやカヤックは予約は必要なく、当日必要なときに直接出向いてレンタルすることができる。1時間で10ドルほどとお手軽で、日の入りまでに返却すればいい仕組みとなっている。日の入り時間は時期によって若干異なるので、借りるときに確認するのをお勧めする。

橋の上でコウモリを待つ人たち

150万匹のメキシコ・オヒキコウモリの飛行 Part 2

1つ前のブログでCongress Bridgeの上からメキシコ・オヒキコウモリを見る方法を書いた。

今回は2番目のCongress Bridgeの下から見る方法だ。Lady Bird Lake(レディーバード・レイク)は湖という名前が付いていながらも、実は川だったりする。

川の両サイドにはトレイルが川と並行に備わっているため、このどこからでもコウモリの飛行を見ることは可能だ。

Congress Bridgeの下からの景色

150万匹のメキシコ・オヒキコウモリの飛行 Part 1

テキサス州オースティンの夏の風物詩にあげられるものとして、メキシコ・オヒキコウモリの飛行がある。

夏の間はCarlsbad Caverns National Park(カールスバッド鍾乳洞国立公園)の100万匹を上回る150万匹ものメキシコ・オヒキコウモリが、ダウンタウン・オースティンにかかるCongress Bridgeから毎晩一斉に飛び出してくる。北アメリカだけでいえば、コロニーの大きさはナンバーワンだ。

Congress Bridgeで
コウモリを待つ人たち

12/27/2011

さまざまな地形、気候、生態系を持つテキサス州 ~ 地形編

テキサス州はアラスカ州に続く大きな州だけあって地形の変化もダイナミックだ。

東から西に車を走らせると、メキシコ湾を囲うようにして位置しているメキシコ湾海岸平野から始まり、内陸低地、緑豊かな丘陵地帯が続き、グレートプレーンズ、そして岩山のある砂漠地帯となる。

ハリケーンの被害を被ったガルベストン
メキシコ湾海岸平野には数多くの松林が生息している。ヒューストン近郊では湿地帯が多く見られる。メキシコ湾に近いため湿度も高めだ。

また、Bayou(バイユー)と呼ばれるゆっくり流れる小川がヒューストン近郊に存在する。ワニが生息しているBrazos Bend State Park(ブラゾスベンド州立公園)もヒューストンの南西に位置している。



緑が豊富なヒルカントリー
さらに西に向かって車を走らせるとHill Country(ヒルカントリー)に入る。名前の通り、丘陵地帯だ。このあたりは緑はもちろんのこと、川や湖もある。

さらには、鍾乳洞がいくつかある。有名なのはオースティンからI-35を30分ほど北に走ったところにあるInner Space Cavern、Inks Lake State Park(インクス・レイク州立公園)近郊にあるLonghorn Cavern、そしてそのほとんどがLive formationとして知られているSonoraという町にあるSonora Cavernが有名である。


グレートプレーンズを見渡せるI-10W

ヒルカントリーを超えると、一面見渡せる草原となる。このあたりはロッキー山脈東部に広がるグレートプレーンズの一部となっている。プレーリーやステップなどがおもに見られ、見渡す限りの大草原だ。

特に見どころもないため、少しすると見あきてしまうものの、冬の時期に茶色になった草原が夕陽に照らされ金色に輝くその景色は見ものだ。また雨が降る夏などは一面緑の草原が果てしなく広がる。

ビッグベンド国立公園に位置する
チソス山脈
大草原はFort Stockton(フォート・ストックトン)あたりまで続き、そこからは岩山が多く見られる砂漠地帯に突入する。コロラド州やワシントン州のような大きな山は存在しないが、標高2000メートルを超える岩山が西部テキサスにも存在する。

グアダルーペマウンテン国立公園のグアダルーペピークは標高8749フィートあり、「テキサスで一番高い場所」として有名だ。また砂漠地帯となる西部テキサスには比較的大規模な砂丘も存在する。

Fort Stocktonから1時間北に走ったところにあるMonahans(モナハンズ)という町のすぐそばに、Monahans Sand Dunes State Park(モナハンズ砂丘州立公園)がある。また、砂漠の峡谷や樹木のある山岳斜面などダイナミックな景色を堪能できるのも西部テキサスである。

パロデュロキャニオン州立公園

少し外れてLubbock(ラボック)やAmarillo(アマリロ)があるPan Handle(パンハンドル)地方は、ただただ平らな草原地帯となっている(パンハンドルと呼ばれる由来はフライパンの柄に形が似ていることから、この名前がついた)。このあたりを走ると、まっすぐな草原地帯の所々に油井採掘機器が多く見られる。

しかしながら、「テキサスのグランドキャニオン」と言われているPalo Duro Canyon State Park(パロデュロキャニオン州立公園)など、なぜこんな場所にキャニオンが?と思えるような立派でカラフルなキャニオンもあったりするのだ。

個人的に、テキサス州は見どころ満載だと思っている。サボテンにカウボーイといった印象を持っている人も多いかもしれない。確かにそれもテキサスの一部ではあるが、実は地形は変化に飛び、アメリカに点在する有名スポットにも引けを取らないくらいダイナミックな景色を提供してくれる州なのである。

「テキサスに何があるの?」

そういった質問に答えていくためにも、私が行った面白い場所を少しずつ紹介していけたらと思う。

12/26/2011

さまざまな地形、気候、生態系を持つテキサス州 ~ 気候編

仕事の都合でテキサス州に来たのが2007年の3月。

本社の写真を見せてもらったときは、
自分の予想とは反して緑が豊富、川も流れていてビックリしたのを覚えている。

アメリカ合衆国全体から見たテキサス州の位置。
テキサス州はアメリカ南部に位置する州で、リオグランデを挟んでメキシコに面している。

面積は日本の約2倍、州都は州の中央部にあるオースティンだ。アラスカ州に続く大きな州だけあって、地形や気候は変化に富んでいる。

テキサス東部のヒューストンから最西端の町、エルパソまで走っていくと、湿地から始まり、なだらかな緑の丘が続き、果てしない草原、そして岩山と砂漠地帯になる。

気候はというと、春と秋が極端に短く2~3週間程度。
その間は1日で40F(23℃)変化するなど気温の差がかなり激しい。前日は凍るほどの寒さでも、翌日はTシャツなんていうこともある。春はひたすら風が強く、秋はハリケーンのため天気が荒れ雨が降りやすくなる。

テキサスの州花であるブルーボネット。
しかし、春には色とりどりのワイルドフラワーが見渡す限り咲き乱れ、州花として指定されているブルーボネットが見ごろな時期だ。基本的にどこででも見ることができる。

ワイルドフラワーの条件としては、冬に豊富な降雨量が必須となる。冬に雨が少ないと、その冬に続く春のワイルドフラワーにはあまり期待できない。しかし、雨量が豊富だと市内のフリーウェイ沿いでも黄色や紫のワイルドフラワーが咲き乱れ、ドライブも楽しくなる。


クオーターコインと比較した雹の大きさ。
ただし、春は天気が大変不安定なため、夕立が多く雨も多い。雨だけならまだしも、ひどい時はゴルフボールサイズの雹が降る。これだけの大きさの雹が降ると、車はボコボコになり、ガラスが割れたりと大きな被害が出る。2009年3月に降った雹は、帰宅ラッシュ時ということもあり、相当な被害が出た。






紅葉で有名なLost Maples State Natural Area。

秋には州の一部で紅葉が見られる。日本のような山全体が紅葉するということはないが、それでも赤や黄色の紅葉を10月の終わりから11月にかけて楽しむことができる。

州内で紅葉が見られる有名な場所は、サンアントニオから2時間弱西に走った場所にあるLost Maples State Natural Area(ロストメープル州立自然区)、およびGuadalupe Mountains National Park(グアダルーペマウンテン国立公園)のMcKittrick Canyonだ。どちらの公園も紅葉の時期になると、各ウェブサイトで紅葉レポートを発行している。これで紅葉の見ごろな時期が把握できるようになっている。


2010年の冬は寒く、珍しく雪が降った
冬はカナダや北極からの風が吹いてくるため、
このような寒冷前線が通過すると氷点下になることも珍しくない。テキサスと聞くと冬でも暖かいイメージがあるがそんなことはないのである。ただ、雪は北のパンハンドル地方を除いてはあまり降ることはなく、氷点下になった場合は凍ってしまうことのほうが多い。





夏は川遊びで体を冷やす
夏は想像通り、暑い日が続く。1年の中で一番夏が長い。湿度が高い南東部のヒューストンや海岸沿いは夏は90F(32℃)ほどだ。北、および西に行くほど湿度は下がり、気温も100F(38℃)もしくはそれ以上となる。

特に、ダウンタウン南部にあるZilker Park(ジルカーパーク)内にあるBarton Springs Pool(バートンスプリングス・プール)、オースティンから車で1時間ほど南西に走ったところにあるHamilton Pool(ハミルトンプール)などが有名だ。そのほかにも、サンアントニオとオースティンの真ん中に位置するNew Braunfels(ニューブラウンフェルズ)でのチュービングも人気がある。


2011年のひどい干ばつで
山火事の被害にあった西部テキサス。
西部テキサスの標高が低い砂漠地帯では、日陰でも115F(46℃)、直射日光だと、恐らく120F(49℃)を上回るほど暑くなる。生き残るには厳しい環境が広がっている。同じ砂漠地帯でも標高が高い山岳地帯では、日中の気温は80~90F(27~32℃)ほどと比較的涼しく、夜は60F(16℃)ほどまで冷え込む。日中は暑く、夜は冷え込むといった典型的な砂漠気候だ。

2011年はテキサス州は例年にない干ばつとなり、西部テキサスやオースティンから30分ほどの隣町であるBastrop(バストロップ)などが大きな被害にあった。特に西部テキサスでは東京都のおよそ6.6倍ほどの面積(14570km2)が山火事によって焼かれてしまったのである。現在は、少しずつではあるが回復に向かっている。

テキサスの気候は年中変化に富んでいる。"Everything is bigger in Texas"(テキサスではすべてがデカい)と言われているように、気候もある意味テキサスサイズだ。