1/29/2012

ビッグベンド国立公園の見所 ~リオ・グランデビレッジ③~

ビッグベンド国立公園にはなんと温泉がある。

昔使われていた郵便局
メキシコとの国境となっている川、Rio Grande(リオ・グランデ)のすぐ横にあり、雨の後などの水かさが高くない時であれば入ることが可能だ。

Panther Junction(パンサージャンクション)からRio Grande Village(リオ・グランデ・ビレッジ)に向かう途中に"Hot Springs"の看板が出ているのでそこから未舗装路に入る。Old Ore Road(オールド・オア・ロード)の少し手前だ。

未舗装路と言えど、通常はセダンでも問題なく通行できる。しかし道路の一部は一方通行で道幅が細い場所もあるので注意が必要である。

駐車場は整備されているわけではなく、砂利の空き地がそれである。トイレがあり、昔建てられた郵便局やモーテルなどの建物が残っている。トレイルヘッドは駐車場の南東にあり、小さな看板と橋が目安だ。ここも他の場所と同様、メキシコにほど近い場所にあるので、貴重品は身につけ車の中には目立つものは置かないようにしたい。

巨大なヤシの木?
トレイルヘッドからほどすぐの場所に巨大な南国風の椰子の木らしきものが4本ほど生えている。左の写真がそれであるが、写真左下のピクニックテーブルと比較すると大きさは一目瞭然だ。

それぞれの建物の中は見れるようになっていて、モーテルには馬の絵が描いてある。建物を通過すると右側はリオ・グランデ川、左側は薄い岩でできた岸壁となる。短いトレイルだが冬でも気温が上がることもあるので水は1Lほど持っていくことをお薦めする。

ホットスプリング(温泉)は40℃ほどで、とても心地の良い温度だ。リオ・グランデ川を向いて右奥からお湯が湧き出ている。ただし、ホットスプリングの底は泥で、みんな日焼け止めを塗って入るため、お湯は決してキレイとは言えない。

トレイルからの景色
また、もちろんアメリカのホットスプリングなので水着着用である。下もドロドロなのでビーチサンダルもある意味必須だ。着替えは可能であれば駐車場のトイレで済ませると楽かもしれない。

ホットスプリング近辺は背の高い草が茂っているため着替えも可能かもしれないが、老若男女さまざまな人がトレイルを歩いているのであまりお薦めはできない。

色々な人が集まり、色々な話をすることが出来る場所だ。公園内ではほとんど見かけないアジア人も、なぜかここでは遭遇する。

ホットスプリング
砂漠の中でメキシコを見ながらゆっくり温泉に入れるのは、ここビッグベンド国立公園だけかもしれない。足湯だけの人もいれば、どっぷり浸かって温まっている人もいる。

ちょっとした疲れをほぐすにはもってこいの場所だ。

オンシーズンの冬は結構込み合う。わざわざ夜に来る人もいるため、夜でも水着はお忘れなく。

ちなみに、ホットスプリングを突っ切ってそのままトレイルを進むとリオ・グランデ・ビレッジに到着する。ホットスプリングキャニオンからの景色はいいので時間があればこのトレイルもお薦めだ。

1/28/2012

ビッグベンド国立公園の見所 ~リオ・グランデビレッジ②~

ビッグベンド国立公園の南東にあるリオ・グランデビレッジ(以下、RGV)付近には見所が多い。

RGV付近の地図
今回は、第2のお薦めスポットであるBoquillas Canyon(ボキラス・キャニオン)について書いていこうと思う。

RGVを出てビジターセンターを通り過ぎるとすぐ右にボキラス・キャニオンへの分岐点がある。ここを右折して西に走ると駐車場に到着する。

ここでは比較的車の盗難被害が多いので必要な物はすべて身につけ、他のものもできるだけ外から見えないところに置いたほうが無難だ。ボキラス・キャニオン・トレイルは往復1.4マイルと短く、誰でも気軽に楽しめるトレイルとなっている。

ただし、短いとはいえ夏は40℃を軽く超えるほど暑くなるので日焼け対策や水分補給は忘れないようにしたい。

ボキラス・キャニオン・トレイル
トレイルは行きは緩やかな下り、帰りが登りとなるが標高差はほとんどない。いったんリオ・グランデ川に出ると、あとは砂地を歩いてキャニオンまで向かうことになる。

小高い丘のようになっているため、トレイルからの見晴らしは良く、リオ・グランデ川もよく見える。

砂地に出ると、メキシコ人が馬で渡っていたり、対岸でのんびりしている。9.11の前は小さな渡し舟で気軽にメキシコ側にある隣町、Boquillasまで行くことができたが今は禁止されている(2012年の4月に、またそれが可能となるかもしれないとの噂があるがまだ確定はしていないらしい)。観光を資源としていたBoquillasの町は、その後だいぶ廃れてしまったらしい。

メキシコ人が売っている杖
川沿いには、メキシコ人が作った杖やちょっとした小物などが売られているが買うことは禁止されている。これらが欲しい場合はビジターセンターで購入することが可能だ。

「買わないか?」と声をかけられたりもするが、ここは丁寧に断っておくのが無難である。

少し奥まで行くとボキラス・キャニオンの入り口だ。川の両端は絶壁となりだんだん先へ進むのが困難になってくる。規模的にはそれほど大きなものではない。幅も広く高さもそれほどないが夕暮れ時のキャニオンは見応えがあると思う。もしより大きなキャニオンが見たいのであれば公園の西側にあるSanta Elena Canyon(サンタ・エレナ・キャニオン)がお薦めだ。

ボキラス・キャニオン
夕暮れ時にオレンジ色に染まる砂漠地帯を見ながら訪れるのがベスト。RGVに立ち寄ってみたけど時間があまりない、疲れてそれほど歩きたくない場合は、散歩のように気軽に歩けるトレイルとなっている。

ボキラス・キャニオンの途中にあるBoquillas Canyon Overlook(ボキラス・キャニオン・オーバールック)も是非立ち寄りたい場所の一つだ。RGVから行く場合は右手にあり、ボキラス・キャニオン・トレイルからの帰り道からであれば左手にちょっとした駐車スペースがある。看板が出ているので注意していれば見逃すことはない。

ボキラス・キャニオン・オーバールック
ここからも優雅に流れるリオ・グランデ川やBoquillasの町が見渡せる。

特に特徴的な風景が見られる場所ではないのだが、RGVに来たら見る景色の一つだ。聞こえるのはゆっくり流れるリオ・グランデ川の水の音のみ。目の前には真っ青なリオ・グランデ川、そして果てしなく続く金色に輝くチワワ砂漠。夕暮れ時のチワワ砂漠は本当に感動する。

何もないけれども、自然が作り出す絶妙な色のコントラストが感動を生み出し、また来たいという思いにつながっていく。


1/27/2012

ビッグベンド国立公園の見所 ~リオ・グランデビレッジ①~

ビッグベンド国立公園の南東に位置する場所がRio Grande Village(リオ・グランデビレッジ)だ。

RGVへ続く道
この地域も見所はたくさんあるが、今回は夕日がキレイに見えるスポットで知られるHot Springs Canyon(ホットスプリングキャニオン)にあるOverlook(オーバールック)について書こうと思う。

リオ・グランデ・ビレッジ(以下、RGV)には公園の中で一番広いキャンプサイトがあり、冬季だけ運営しているガソリンスタンド兼コンビニ、そしてビジターセンターがある。また公園内で24時間使うことのできるシャワーがあり、キャンパーやバックパッカーにはありがたい存在となっている。

公園の真ん中に位置するPanther Junction(パンサー・ジャンクション)からは45分ほどかかる。パンサー・ジャンクションからRGVまでは一面砂漠地帯だ。後ろにはチソス山脈がそびえ、道路沿いにはOcotillo(オコティロ)やSotol、サボテンが生えている。遠くにはSierra del Carmenが連なり見応えのある景色だ。

RGVで見たBobcat
RGVは名前の通りRio Grande(リオ・グランデ)川に面した位置にある。メキシコとの国境となっているリオ・グランデ川は徒歩圏内で、様々な動物を見ることができる。鳥類はもちろんのこと、シカやハベリーナ、ボブキャット、コヨーテなども見られる。

RGV内から出ているトレイルはHot Spring Canyon(ホットスプリングキャニオン)トレイルだ。リオ・グランデ沿いにある温泉へ続くトレイルとなっており、リオ・グランデ沿いに歩いて行く。トレイルヘッドはRGVの東側にある。ビジターセンターを通過してすぐに4-Way Stop(一時停止)の看板がある。ここで右折する。真正面にはコンビニ、左に行くとキャンプ場となる。2分ほど走るとピクニックエリアに到着し行き止まりとなる。

岸壁の方角に歩いて行くと、トレイルヘッドの看板があるので、そこからスイッチバックでホットスプリングスキャニオンの上まで登っていく。

その途中に、Overlook(オーバールック)がある。トレイルはキャニオンを登るところから始まり、登り切って下にリオ・グランデ川が見えるようになった場所に、小さな看板が立っている。トレイルヘッドからこのオーバールックまではほんの20分ほどの緩やかな登りだ。

オーバールックからの景色(夕方)
後ろを振り向くと南北に走るシエラ・デル・カルメンが左から右に広がり、その下にはゆっくりとリオ・グランデが流れている。逆方面(西側)を見るとホットスプリングキャニオンの岸壁の向こうに小さくチソス山脈が見える。

ここは視界が開けているため、朝日および夕日鑑賞には絶好の場所だが、朝日と夕日のどちらかを選択せざるを得ない場合は、圧倒的に午後の日の入り時だ。オレンジ色に輝くシエラ・デル・カルメンの岸壁は、グランドキャニオン国立公園を思い出させる。

2011年の冬に訪問したときは雨が降り、分厚い雲が一面を覆っていたにも関わらず、西のほうはラッキーなことに雲が切れ始め、雲の切れ目からオレンジ色の太陽が差し込んだ時、シエラ・デル・カルメンが輝いた。空も淡い紫に染まり、次第にピンク色になり、その色の変化は圧巻だった。

麓を優雅に流れるリオ・グランデ川は一部ピンク色に染まり、一瞬だけ虹も出たりと写真を撮るには絶好の天気だった。

登ることが難しい場合は、RGVの東側(キャンプサイトとは逆方面)にあるピクニックエリア付近からもシエラ・デル・カルメンを間近で見ることができる。

しかし、トレイルの登りは短く、下から見るよりもよりダイナミックな景色を望めるため、頑張って登ってビッグベンド独特の砂漠の夕暮れを味わっていただきたいものである。

1/24/2012

オースティンの観光スポット: Hamilton Pool

オースティン近郊の町、Dripping Springs(ドリッピング・スプリングス)にエメラルドグリーンのプールがある。

Hamilton Pool

Hamilton Pool Nature Preserveが正式名称だが、Hamilton Pool(ハミルトン・プール)として知られている。

ダウンタウン・オースティンからは車で30分ほどだ。入園料は$10。


オースティンの観光スポット: 360 Bridge

オースティンを東西に流れる川がLady Bird Lakeである。
この川にはいくつか橋がかけられていて、コウモリが見えるCongress Bridgeもそのひとつだ。

オースティンの西側に、Pennybaker Bridge(360 Bridge)という橋がある。錆びれた赤茶色の橋で、特にキレイな橋というわけではないのだが、ここからの景色はなかなかいい。私のお気に入りのスポットの一つだ。

薄暗くなってからのPennybaker Bridge

1/22/2012

OML(Outer Mountain Loop)エピローグ

今回のビッグベンド国立公園でのOuter Mountain Loop(OML)バックパッキングは個人的には大満喫の旅だった。

2003年に初めてアメリカの国立公園を訪問して以来、アメリカの大自然の虜になってしまった。2007年、テキサス州オースティンに来てからは、近場のスポーツ店で50ドルのハイキングブーツを購入。ハイキングだったらお金もかからないだろうと思って始めたハイキングだった。しかし、結果一番お金をつぎ込む趣味となってしまった。

最初は1マイル、2マイルの距離だったのが、より遠くに行けばいろんな景色に遭遇できることを知り、歩く距離が5マイル、10マイルと伸びていった。デイハイキングでは歩ける距離が限界に達したことに気づくと、次はバックパッキングをしてみたくなった。

今回のOMLもその延長なのだと思う。

準備もほぼ1年かけてやってきた。トレイル情報はもちろん、パッキングリストも数回見直しをしては、本当に必要なもののみを厳選した。カーキャンピングであれば、とりあえず車に荷物をつめておけばいいということになるが、バックパックに詰め込むものは自分の重さとして加算されるため、「これも、あれも」とはいかなかった。

長い準備段階を得て、計画したことを一つ一つ実行していくのも、個人的には楽しめた過程だったと思う。すべてのことに注意を払い、地図と自分の場所を照らし合わせて位置確認をする。

かなり念入りにリサーチをしたけれども事前に分からないことはかなりあった。だけどその場に直面すると自然と答えがわかり、特に困ることもなかった。

学んだことも多かったと思う。水が砂漠の中では本当に貴重なものだというのは身を持って実感した。汚い話だけど、4日間シャワーは浴びれなかった。手を洗ったのも数回あったかないかだった。もちろん、ウェットタオルなどは持参していたけど、それで手を洗い、顔をふき、体の汗を拭き取り、いまいち汚れが落ちない中で生活した。最初は若干不便に感じたが、慣れるとそんなことはあまり気にしなくなる。このトレイルを歩いている人はみな同じなのだからそれほど気にする必要もないのだ。

他にも、普段自分が必要と思っているものは、実は必要ではないことも分かった。あったら便利というものは周りにたくさんある。毎日生活する上で、便利さというのは大切だけれども、無いと生きていけないという訳ではない。50Lのバックパックの中に詰め込んだもののみで生活して思ったのは、「生きていくために必要なもの」は意外にも少ないことだった。「これだけで生きていけるのか!」とある意味驚いた。

今回、チソス・マウンテンを出てからすれ違ったのはほんの8人だった。このような隔離された大自然の中での生活は初めてで、自分が「サバイバルモード」に入ったのがよく分かった。大げさかもしれないけど、この3日間は普段よりも「生きている」実感がより強かった気がする。

景色もとてもダイナミックだった。何もない砂漠での朝日と夕日は特に格別だった。同じ色はもう二度と見れないかもしれないけど、また訪問した時には違った美しい景色に出会えると期待している。

「来てよかった!」の瞬間を求めて私の旅は続く・・・。

サウスリムにて。夕日を見ながらの夕食。

1/21/2012

OML(Outer Mountain Loop)11/24/2011

バックパッキング4日目の最終日。朝日を見るために6時半起床。疲れが溜まっているので寝ていたい気分だったが、サウスリムから朝日を見る機会なんていうのは滅多にないので温かいスリーピングバッグからゆっくりと出た。

ピリっと寒い。ジャケットを着込んでさっそくリムに繰り出してみるも、まだあたりは真っ暗だ。

リムの中間地点あたりまでヘッドライトを照らして進む。そこからキャンプサイトまで景色を見ながら戻ってくるプランにした。少しずつ明るくなりそれが薄紫になる。

太陽が出てくるあたりは白っぽくなりオレンジ色になる。三脚を持ってきていなかったため、若干ISOを上げて撮ってみるもやはり手ぶれするのでもう少し明るくなるまで待った。

やっぱり国立公園に来たら、朝日と夕日は必見だと思う。場所にもよるのだろうけど、こういう視界がいい場所は特にそうなのかもしれない。


1/18/2012

OML(Outer Mountain Loop)11/23/2011

3日目のOMLバックパッキングとなった。残りはあと半分だが、距離的には半分以上歩いている。

3日目は緑の線を歩いた
この日はBlue Creek(ブルークリーク)トレイルを歩き、Laguna Meadow(ラグナ・メドウ)トレイルに合流、サウス・ウェストリムにあるSW4キャンプサイトがゴール地点だ。距離的には8マイル弱と短いが標高差は1000メートル近い。それもサウスリムでは水の補給ができないためチソス・ベイスンに戻るまでの2日間分の水を背負うことになる。

3日目ともなると体に疲れが溜まってきているのがよく分かる。目覚ましで起きてみると空は薄暗く、まだ星が出ていた。真っ暗ではなかったのでライトは点けずに作業をする。



1/17/2012

OML(Outer Mountain Loop)11/22/2011

夜は風がうるさくてあまり寝れなかった。耳栓をしていてもやはり風の音は聞こえていて、寝ているのか起きているのかわからない状態で朝を迎えた。

起床は6:30AM。目覚ましで起きた。腰や肩が痛むが頑張って起きてみる。外に出てみるも、7時過ぎくらいからようやく明るくなるのでまだ真っ暗だ。寒冷前線が通過したのだと思うが、少しひんやりする程度で気温は思っていたほど下がっていなかった。すぐに寝袋をしまい、テントの中の物を外に出して、テントを片付ける。そしてやっと朝ごはん。どうやら動物が私の食べ物を食べた経歴はなさそうでホッとした。ご飯を食べている時にちょうど太陽が登ってきた。

キャンプサイトからの眺め


1/15/2012

OML(Outer Mountain Loop)11/21/2011

出来る限りの準備はすべてした。天候もバックパッキング中は崩れる心配は今のところなさそう。

標高がそんなにない山と言えど山。そのため天候が急変した場合も考慮して雨具やその他緊急時に必要なものはすべて持った。使わない確率は高い。余計な荷物になりかねないのでためらったが安全を最優先した。

準備完了。あとは背負って歩くだけ。


1/14/2012

OML(Outer Mountain Loop)下準備 ③

水の確保もできたところで、最後の準備はバックカントリー許可証だ。

訪問者が少ないビッグベンド国立公園では、バックパッキング出発日の1日前から受付を開始している。感謝祭やクリスマス、春休み以外の時期であればほぼ希望が通る。今回は出発予定日の前日の朝に、チソス・ベイスンのビジターセンターに出向いた。

ビッグベンド国立公園でのバックカントリーにおけるキャンプの方法は大きく分けて3つある。

  1. チソス・マウンテンでのバックカントリーキャンプサイト
  2. ゾーンキャンピング
  3. ロードサイド・バックカントリーキャンプサイト

である。

細かいことはまた後ほど書くとして、今回は最初の2泊をゾーンキャンピング、最後の1泊はサウスリムにした。

複数のゾーンに分かれている
ゾーンキャンピングでは、基本的に好きな場所にテントを設営することができる。公園は複数のゾーンに分かれていて、どの日にどのゾーンを利用するかをレンジャーに伝える。ゾーンは広いので一杯になることはまずないが、人数制限はあるので決められたゾーンでテントを設営する必要がある。

基本的に場所さえ確保できればどこでもいいので自由なのだが、守らなくてはならないちょっとしたルールがある。テント設置場所は道路から最低0.5マイル(800km)離れていること。トレイル、ヒストリックサイト、水源からは最低100ヤード(30m)離れている必要がある。基本的にトレイルからテントが見えてはいけないのだ。

公園のほとんどでゾーンキャンピング可能なのに対し、チソスマウンテン内では予め用意されているバックカントリーキャンプサイトを指定する必要がある。サイト数が限られているため、混んでいる時期は希望が通らないことも多々ある。

今回は1日目はDodson(ドッドソン)ゾーン、2日目はBlue Creek(ブルークリーク)ゾーン、3日目はサウスリムのSW4と希望を出した。

バックカントリー許可証
レンジャーはSW4が空いているかどうかを確認するために電話し、電話を切ったところで無事にサイトが確保できたことを教えてくれた。そして無事にバックカントリー許可証を発行してもらえた。

この他にも4日間車のダッシュボードに置いておくスリップや、クマやマウンテンライオン遭遇時の注意事項が書かれた紙ももらった。

こうして無事に発行されたわけだが、実はビッグベンド国立公園の到着当日にちょっとした出来事があった。パンサージャンクションのビジターセンターに立ち寄った時にその場にいたレンジャーにOMLを歩きたいと伝えたところ、突然「なんでOMLを歩きたいんだ?」と険しい顔で聞かれた。

ただでさえアジア人訪問者が少ないビッグベンド国立公園。さらにアジア人女性なんて見かけないため、そのアジア人の女が目の前に立って「OMLを歩きたい」と言ったもんだからビックリしたのだと思う。無知に見えたのかもしれない。OMLは険しいトレイルだし、遭難者や死者も出ているし、自分ができるリサーチはかなりやったつもりだった。

なんでOMLなんだ?

そのレンジャーの反応にちょっとビックリしたが丁寧に答えた。ビッグベンドの訪問は今回が5回目であり、チソスマウンテンのサウスリムを過去2回歩き、Marufo Vega(マルフォ・ベガ)トレイルも歩いた。是非OMLに挑戦してみたい!

マルフォ・ベガトレイルを歩いたのか?それなら、きっとOMLも大満喫できると思うよ!

と、先ほどの険しい表情とは打って変わって、にっこり笑って「楽しんできてね!」と言ってくれた。正直最初の表情の変化ぶりには驚いた。そしてちょっと内面ムッとした。しかし、レンジャーがなんでこんなことを言うのかもとてもよく分かる。

少し前から友達に借りた「Death in Big Bend」という本を読んでいた。この本にはビッグベンド国立公園であった本当のレスキュー話がケースごとに書かれている。その中でレンジャーの仕事ぶりについてももちろん書かれていて、遭難者が出るとブーツのゴム底が溶けてしまう50℃以上の真夏でもレスキューに向かわなければならない。ある日は雪が降り、ある日は真っ暗闇をひたすら歩いて現地に向かうなど、とても過酷な状況が書かれている。

バックカントリー許可証を発行する前に未然に問題を防ぐことも、またレンジャーの仕事なのだと思う。おそらく、私があの場で「ビッグベンド訪問は初めてです」と言ったら、このレンジャーはきっと「OMLはやめたほうがいい」と言っていたに違いない。レスキューという作業はレンジャーにとっても過酷であり、出来る限り避けたいことなのだと思う。

出鼻を少しくじかれた感じもしたが、無事に許可証は発行してもらえた。あとは実際に計画通りに歩くだけである。

OML(Outer Mountain Loop)下準備 ②

荷物の準備も時間をかけたが、もう一つ課題があった。

それは、水。

Mule Ear Spring
砂漠でも水があるところにはある
チソス・ベイスンをいったん出てしまうと、水道は一切ない。頼れるのは雨によって限定的に流れるクリークやスプリングだ。確実に水を確保できるとは限らないため、「決して頼ってはならない」と国立公園のウェブサイトには書いてある。砂漠の中で頼りにしていた水が無かったら大変危険なためだ。これで命を落とした人も過去にいる。

しかしながら、4日分の水をすべて持っていくというのは、あまりにも無謀である。料理の分も含め、1日3.5L必要となると合計14Lだ(今回は冬であるため摂取量は少なめ。夏はもっと多くなる)。

OMLには実は2ヶ所に水や食料を一時的に保存できるベアボックスが設置されている。1箇所はHomer Wilson Ranch(ホーマー・ウィルソン・ランチ)付近にあり、Ross Maxwell Scenic Drive(ロス・マックスウェル・シーニックドライブ)から容易にアクセス可能だ。駐車場に止めて、そこから出ているランチまでのトレイルを少し下ったところにベアボックスが設置されている。ちょうど、トレイルヘッドとランチの中間地点だ。

左に小さく見えるのが
Homer Wilson Ranch
この場所はDodson(ドッドソン)トレイルとBlue Creek(ブルークリーク)トレイルの合流地点であり、2日目のドッドソントレイルを歩き終えた時に食料と水をピックアップできるようになっている。

水や食料を置く場合は、ピックアップする日と自分の名前を記入しておく。ここに水があるのとないのとでは、疲労度にも大きく関わってくる。OMLを歩く人には必須のベアボックスなのだ。

また水を自分のボトルに入れたあとは、残った空のプラスチック容器をそのまま持ち帰るか、後日自分できちんと捨てる必要がある。決してそのまま飲み残しのゴミを残しておかないようにしたい。

Juniper Canyon Rdの終わりにある
ベアボックス
もう1箇所は車高の高い車でないとアクセス不可な場所にある。1日目の終わりに通過するJuniper Canyon(ジュニパーキャニオン)トレイルとドッドソントレイルの合流地点だ。ここへアクセスするには未舗装路を1時間半ほど走る必要があり、セダンではまず難しい場所だ。

左の写真にあるように、駐車場からはサウスリムがよく見える。レンジャーと話したときは、ここにはベアボックスがないと言っていたが、しっかりと用意してあった。ホーマー・ウィルソン・ランチにあったベアボックスには1ガロンのボトルが大量にあり、置き場に困ったくらいだったが、ここはアクセスも悪いせいもあって中には容器が2つほどあるだけだった。

一人あたり2つ3つなので
大きなベアボックスもすぐに一杯になる
この2ヶ所に水や食料を置いておければ、水の心配はほとんどせずに済むし、何しろ重い荷物を運ばずに済む。とりあえずこれで水の心配はなくなった。あとは自分の体力との勝負だ。

ただ、ここに水を置いたときは、明日、明後日、ここに戻ってきたときに自分の水がちゃんと残っているのか本当に心配であった。もし誰かがこの水を取ったものなら、私の旅はそこで終了となってしまう。旅が終了するだけならまだいいが、脱水症状になりレスキューなんてこともありえるかもしれない。

色々と心配事はあったが、ここに水を置いておくしか方法がないので、このドアを閉めるときに、「水が残っていますように~!」とお祈りしてその場を去った。

1/09/2012

OML(Outer Mountain Loop)下準備 ①

ビッグベンド国立公園は、ハイキングやバックパッキングが好きな人にはたまらない場所である。訪問者も少ない公園であるため、のびのびと自分のペースで楽しめる場所だ。

4回目の訪問を計画していた時にOuter Mountain Loop(OML)というトレイルがあることを知った。最低でも2泊3日かかる30マイル(48km)のトレイルだ。この訪問時はすべてデイ・ハイキングのみだったが、翌年に是非歩いてみたいと感じリサーチをした。

そして2011年の11月、そのOMLを歩くチャンスが訪れた。

青が1日目、黄色が2日目、
緑が3日目、青が4日目歩いた軌跡
今回計画したのは、チソス・ベイスンから出発、Pinnacles(ピナクルス)トレイル、Boot Canyon(ブートキャニオン)トレイル、Juniper Canyon(ジュニパーキャニオン)トレイル、Dodson(ドッドソン)トレイル、Blue Creek(ブルークリーク)トレイル、Laguna Meadow(ラグナ・メドウ)トレイル、Southwest Rim(サウスウェスト・リム)トレイル、Northeast Rim(ノースイースト・リム)トレイル、Boot Canyon(ブートキャニオン)、そしてブートキャニオン、ピナクルストレイルを降りてくるルートだ。どうしてもSouth Rim(サウスリム)で一泊したかったこともあってこのルートにした。距離は38マイルと少し長くなるが、自分の体力とも相談して大丈夫と判断した。

4日分の標高プロット
バックパッキングをするのはこれが4回目だ。こういう旅は個人的に大好きなのだが、何しろ周りに仲間がいない。最初の2回はグランドキャニオンのサウスリムからコロラド川までを往復した。コロラド川ではポケットに入れておいたリップクリームがドロドロに溶けるくらい暑かった。3回目は近場の州立公園でOMLの訓練ということで18マイル歩いた。

何しろ死者も出しているOMLなので、かなり念入りにリサーチをした。砂漠なだけあって水源の確保は難しい。さらに、2011年はテキサスの干ばつはすさまじいものであったため、いつも水量が豊富な水源も全く期待できない。しかし、乾燥しているため1日1ガロン(3.89L)が推奨されている。そうなると4日分の水はどうやって運ぶのか?

さらに、トイレもない。別の意味で言えば、トイレになる場所は無数にあるのである。基本的にある例外を除けばどこででも用を済ますことができる。どうやって料理をするのか?料理には水がどのくらい必要なのだろう?おやつはどのくらい持っていくべきか?何が本当に必要で、何が不必要なのか?行く前に解決すべき問題が山積みだった。

最初のバックパッキングでは必要だと思って詰めたものは半分以上使わずに終わった。無駄な荷物のために無駄な体力を消費したのだ。3回目のバックパッキングではその無駄な量が減り、20%となった。しかし、それでもまだ20%もあった。もっと削らなくてはならない。

フリーズドライのパッケージ
また個人的に気がかりだったのは食べ物だった。いつもREIという大手アウトドア店でフリーズドライを買っていた。味はまぁまぁなこのフリーズドライは何しろ高い。1つ$7以上する。これを8つ買ったら$60もかかる。さらに栄養面でも塩分が高く、カロリーが低い。バックパッキングではかなりのカロリーを消費するため、1食200KCalではとてもじゃないけど足りない。エナジーバーなどもありだが、すぐに食べ飽きる。

$60で何が買えるかというと、Dehydrator(食用乾燥機)が買える。これで自分が好きなようにフリーズドライ食を作ることができるのだ。今回1回のビッグベンド旅行で十分元が取れる。さっそく購入してみた。

10日分の食料
これでビーフジャーキーを作りうまくいったので今度は1日ごとのレシピを考えた。Backpackingchef.comというすばらしいサイトがあるので、ここのレシピで自分が好きそうなものを選び、野菜を多めにアレンジしてみる。お気に入りだったのはこのサイトに載っていたチリだ。思っていた以上に美味しくて感動した。また、色々な野菜を乾燥させてみた。トマト、キャベツ、ネギ、牛挽肉、鶏挽肉、スクランブルエッグ、グリーンビーンズ、シーチキン、ケールなどなど。何しろ変なものは一切入っていないのと、野菜がたくさん摂取できるのでとても健康的で、カロリーも自分で自由に調整がきく。

コンパクトな枕
今回は3泊4日であるため荷物も軽量化する必要がある。夜はかなり寒くなることを想定してスリーピングバッグを2つ(夏用と3シーズン)、雨具、などなど必要なものを揃えていく。ほとんどのものはすでに購入済みだったが、いつも枕がなくて首が痛くなるため小さい枕を購入した。こういうのは決して安くは無いが、普通の枕を持っていくわけにもいかないのでしょうがない。服を丸めて枕にしたこともあったが、どうも自分に合った枕にならず寝違えたことがあるので購入を決定した。

とても面倒くさそうな作業に見えるかもしれないが、軽量化を優先する中で本当に必要なものを知るというのは、普段自分がいかに不必要なものを身にまとっているのかがよく分かって個人的には楽しい時間だった。「これさえあれば生きていける!」と思えるもののみをバックパックに詰めてみる。勝手にサバイバルモードに入り、様々なシチュエーションを想定する。何を妥協し、何が妥協できないのか。これは個人によって異なってくると思う。私はこの旅行で1kgもあるデジタル一眼を持っていくことにした。今のコンデジはとても優秀なのは百も承知だが、画はやはり一眼だと思っているからだ。私にとっては「無くてはならないもの」なのである。

こんな感じで私の準備は進んでいった。

1/06/2012

オースティンの観光スポット: オースティンのポストカード

お店に行くと見かけるお土産用のポストカード。オースティン市内には横に長い角が延びた牛Long horn(ロングホーン)や州花のBluebonnet(ブルーボネット)、ダウンタウンの景色のものなど色々とある。
ポストカードにもなっている絵

その中で、壁に描かれた絵がポストカードになっているものもある。


1/05/2012

ビッグベンド国立公園の見所 ~チソス・ベイスン④~

ビッグベンド国立公園のサウスリムはチソス山脈の南側に位置する絶壁である。今回はサウスリムトレイルの後半部分を書こうと思う。

サウスリムからの景色
サウスリム自体は南東に弧を描くような感じで延びている1マイルほどの崖だ。ここまで到着するには3時間半~4時間ほどの登りを要する。容易なトレイルではないがどこの国立公園とも違う独特な砂漠の景色が目の前に広がる。

さて、前回はチソス・ベイスンからPinnacles(ピナクルス)トレイル、Boot Canyon(ブートキャニオン)トレイル、Northeast Rim(ノースイースト・リム)、そしてSouth Rim(サウスリム)について書いたので、今回はチソス・ベイスンへLaguna Meadow(ラグナ・メドウ)トレイル経由で戻る方法について書いていこうと思う。



サウスリムの途中でBoot Canyon(ブートキャニオン)に入る分岐点があるが、Southwest Rim(サウスウェスト・リム)のほうがより長く砂漠の景色を堪能できる。ラグナ・メドウに入ると左側に公園の東側の景色がよく見えてくる。必ずしもリム沿いではないため、視界を遮られる場所もあるが、視界がいい場所ではBlue Creek Canyon(ブルークリーク・キャニオン)がよく見渡せる。そして降りてくるにつれ、Emory Peak(エモリーピーク)も姿を現す。

その頃になるとColima(コリマ)トレイルとの合流地点があり、そこを左にそれてしばらく歩くと、今度はBlue Creek(ブルークリーク)トレイルとの分岐点がある。ブルークリークトレイルはジュニパーキャニオントレイルと同様、砂漠へと向かう(実際はHomer Wilson Ranchに出る)ので、チソス・ベイスンに戻るときはこのトレイルに入らないように注意する必要がある。ブルークリークトレイルは下りになるが、日陰はほとんどないため真夏はかなり厳しいトレイルである。

ラグナ・メドウからの景色。
秋には紅葉が見られる。
ラグナ・メドウトレイルは、登りで使用したPinnacles(ピナクルス)トレイルとは違い、チソス・ベイスンは見えず、全体的な景色もいまいちなところがある。しかし、30cmくらいの真っ青な鳥Mexican Jay(メキシカン・ジェイ)がたくさんいるため、とても楽しませてくれたり、一部紅葉が見れる場所もある。

また、ラグナ・メドウトレイルは傾斜はピナクルストレイルよりも緩やかな半面、距離は若干長くなる。このあたりだと疲れも大分溜まってくるころで、一段と距離が長く感じる。

標高が下がってくると、今まで目の高さにあった山々ははるか上を見上げる感じとなり、大分降りてきたことが実感できる。

チソス・ベイスン付近ではBasin Loop(ベイスン・ループ)トレイルに合流し、ロッジが見えてきたところでピナクルストレイルと合流し、少し歩いたところでゴールとなる。

サウスリムはここ数回、ビッグベンド国立公園を訪れるごとに登っている。景色は移動しないため、毎回同じ景色のはずだが、そこに存在する色や植物の変化で、毎回違った風景を楽しむことができる。

前回バックパッキングをして歩いた時は、オレンジ色に染まる夕暮れに言葉を失った。岩が燃えているのかと思ったくらい真っ赤に染まった。

「ビッグベンド国立公園には何があるの?」という問いには、「砂漠と山と川と・・・」と、実際に存在するものしか言うことができず、何回も訪問している理由をうまく説明することができていない。とても魅力的な公園だが、何がそんなに自分を虜にするのかも理解していないのかもしれない。どうすればうまく伝わるのかと自分なりに考えても、いまだに答えは見つかっていない。

しかし、「また行こう」という思いは今も消えることなく、恐らく次の連休にはまたビッグベンド国立公園を訪れることになると思う。

その訪問時に少しでも答えを見つけ出して、自分なりにその良さを伝えていけたらと思う。言葉数に限りのある私には文章で表現することは難しいかもしれないけれど、趣味の一つである写真で少しでも多くの人にビッグベンド国立公園の良さが伝えられていければいいなと思っている。

1/04/2012

ビッグベンド国立公園の見所 ~チソス・ベイスン③~

山、砂漠、川、峡谷など、さまざまな景色を併せ持つビッグベンド国立公園で一番人気なのは、今まで書いてきている通り真ん中にあるチソス山脈付近だ。

今回はチソス・トレイル・システムのなかで一番長いサウスリムトレイルについて書いていこうと思う。

下から見あげたサウスリム
(右側の絶壁)
サウスリムトレイルは複数のトレイルが合わさった呼び名であるため、「サウスリムトレイル」というものは存在しない。しかし、ビッグベンド国立公園で「サウスリムに行きたい」と言えば、トレイルにいる大体のハイカーはその存在を知っているくらい有名な場所である。

ビッグベンド国立公園のリピーターであれば、恐らく十中八九「体力と時間があればサウスリムへ行け!」と言うだろう。

トレイルのゴールとも言えるサウスリムは、チソス山脈の一番南側の絶壁である。下には背の低い山の起伏がキレイに影になって写り、その周りには真っ平らな大地が続き、遠くにはSierra del Carmen(シエラ・デル・カルメン)、Santa Elena Canyon(サンタ・エレナ・キャニオン)、そして太陽が高い位置にあるときは、Rio Grande(リオグランデ)川がキラキラ反射して見える。

サウスリムからの景色
前回紹介した360度のパノラマ風景が見えるエモリーピークもいいのだが、個人的にはサウスリムからの景色のほうが好きである。サウスリムにはこれまで3回来ているが、同じ景色なのに飽きることは全くなく、「また来たい!」と思わせる場所である。

特に、早朝や太陽が沈む夕方は大地の色が刻々と変化し、砂漠ならではの色を見せてくれる。それも絶壁に位置するため眺めは最高だ。日帰りだとどうしても太陽が一番高い時間帯に到着してしまうことになる。この時間帯の景色もすばらしいが、サウスリムをじっくり堪能するのであればリム付近のバックカントリーキャンプサイトで1泊するのがお勧めである。その際には必ず許可証が必要だ。

サウスリムへのトレイルはループになっているため、時計回り、反時計回りの両方で楽しむことができる。距離も大きなループを歩けば13マイルになるが、左の地図にもあるようにショートカットがいくつかあるため、リムの一部でもいいというのであればショートカットもありかもしれない。しかし、見所はリム全体であり余裕があれば大きな外回りループをオススメする。

チソス・ベイスンからはPinnacles(ピナクルス)トレイル、もしくはLaguna Meadow(ラグナ・メドウ)トレイルが出ている。ラグナ・メドウのほうが傾斜は緩いため膝が弱い人はこちらのトレイルを降りてくるほうが負担は少ない。しかし、登りは若干きつくなる。

今回もピナクルストレイルから登り、ラグナ・メドウトレイルで降りてくることを想定してみる。

逆さまブーツの岩が見えたら
ブートキャニオン到着だ
サウスリムへはEmory Peak(エモリーピーク)と途中までは同じである。ピナクルストレイルを登り切ったところで、右に入るとエモリーピークへ向かうのに対し、まっすぐに進むとそのままBoot Canyon(ブートキャニオン)トレイルとなる。ここから1マイルほどはほぼ平坦な道のりになり、左側のキャニオンと平行に進んでいく。少し右にトラバースするところで、ブーツが逆さまになった岩がある。これが「Boot」キャニオンの名前の由来だ。

このブーツ岩が見えたら今度はブートキャニオンに向かって若干下り坂となる。せっかく稼いだ標高差だが、ここで少しだけ失うことになる。

秋のブートキャニオン
このブートキャニオンはチソス・ベイスンからは想像もできないほど緑が豊富な場所である。秋にはブートキャニオン全体がオレンジ色に紅葉する。ここもテキサスで数少ない紅葉スポットだ。

ブートキャニオンに近づくと木々が多くなる。そして岩がゴロゴロした場所を通過するが、ここがブートキャニオンだ。雨の後などは水が流れ、バックパッキングをする場合は唯一の水源となる。ただし、いつも流れているわけではないので、自分で必要な分の水を持っていく必要がある。

ブートキャニオンの少し手前でColima(コリマ)トレイルとの分岐点があり、そのままブートキャニオンを通過すると今度は左側にJuniper(ジュニパー)トレイルへの分岐点がある。このジュニパートレイルはひたすら下りで砂漠に出るため入らないように注意する必要がある。しばらくは雨水の通り道になりそうな場所を並行して歩き、山の逆側へまわるように歩く。ここでNortheast Rim(ノースイースト・リム)との分岐点があるが、今度は山の反対側になりサウスリムまでは登りとなる。

ノースイースト・リムからの景色
少しずつ青空が見えてくる。そして視界が開ける場所がノースイースト・リムだ。リムの一番東とだけあって東側にあるシエラ・デル・カルメンやリオグランデ・ビレッジが良く見える。また、リムの下を走るJuniper Rd(ジュニパー・ロード)やJuniper Canyon(ジュニパーキャニオン)トレイルとDodson(ドッドソン)トレイルの合流点にある駐車場がわずかながらに確認することができる。

昼間だと太陽が真上にあるため影があまりなく、のっぺりとした印象を持ちながらも多くの人がこの景色を見て感動する。

そして、ここからSouth Rim(サウスリム)トレイルとなる。リム沿いのトレイルはすべて絶壁沿いに歩くのかと思いきや、意外とそうではなく、絶壁と林の中を行ったり来たりする感じだ。ピーク時の感謝祭やクリスマスの終日で込み合っている時期でさえも、グランドキャニオンのサウスリムのような混み具合は一切なく、何しろ広いので人ごみで心配する必要は全くない。基本的にリム沿いは南に面しているが1マイルあるため景色も変わる。

サウスリムからの景色。
遠くに見えるとがった山は
Elephant Tusk。
リム沿いのちょっとした岩場では、ハイカーが思い思いの時間を過ごす。昼寝をしたり、本を読んだり、または無言で景色を眺めている人もいる。

ただ、リム沿いは日陰が全くと言っていいほどない。岩場は太陽で熱されて座るのが大変なくらい熱くなる。冬はその日によってまちまちだが、暖かい日は半そででも十分だし、寒い時はジャケットが必要だ。また、風も結構強い時もあるので、ウィンドブレーカーは手元にあったほうがいい。

左の写真はちょうどリムの中央あたりから見た景色である。サウスリムのどこからでも目につくElephant Tusk(エレファント・タスク)は「象牙」という意味で、確かに少しとがって曲がっているためそれに見れなくもない。

冬は日が短いのもあるため、明るいうちにトレイルヘッドに戻るには、朝早く出発してリムに1~2時間滞在、そしてチソス・ベイスンに戻る必要がある(歩くペースにもよるが、私にはこれが精いっぱいのペースだ)。夏は日が長いので時間に余裕がありゆっくりできるものの、暑いのでリムに長居をしたいとは思えなくなってくる。そのため、1泊のバックパックが一番楽しめる方法だと個人的には感じる。この方法であれば、デイハイキングでは難しい朝日や夕陽の観賞が容易に可能となる。

次はサウスリムの残りについて書いていこうと思う。

1/02/2012

ビッグベンド国立公園の見所 ~チソス・ベイスン②~

前回のブログではチソス・ベイスンで人気のトレイルとなっているLost Mine(ロストマイン)とWindow(ウィンドウ)トレイルについて紹介した。

チソス・トレイルシステムの
地図
今回は、ビッグベンド国立公園を一望できるEmory Peak(エモリーピーク)トレイルについて書いていこうと思う。

エモリーピークトレイル:

エモリーピークトレイルはチソス・ベイスンのハイ・チソス・トレイルシステムのトレイルヘッドから始まり、ビッグベンド国立公園では一番高いエモリーピークがゴールとなる往復10.5マイルのトレイルとなっている。グアダルーペマウンテン国立公園の山々にはかなわぬとも、テキサス州にある山では9番目に高い7825フィート(2385m)となっている。チソス・ベイスンの標高が5414ft(1650m)であるから、標高差は2411ft(735m)となる。トレイルはしっかりとメンテナンスされており、トレイル分岐点には必ず標識があるため、手元に地図があり目的地がはっきりしていれば迷うことはまずない。ただし、砂漠といえど山であり、基本的に水源はないと見ていいので水と食料、そしてレインジャケット等は必須である。また、メインテナンスされているとはいえ、足場の悪い場所はあるのでしっかりとしたハイキングブーツがオススメだ。

トレイル分岐点には
このような標識が出ている。
チソストレイルシステムのトレイルヘッドから見える、アンテナが2本ある高い山の頂上がエモリーピークだ。エモリーピークへはPinnacles(ピナクルス)トレイルを登っていく。ジュニパー、オーク、松、そして赤い樹皮のTexas Madron(テキサス・マドロン)、砂漠の標高が高い場所にのみ生息するHavard Agaveなどがよく見られる。そしてToll Mountain(トール・マウンテン)の右側を迂回するようにスイッチバックで標高をかせいでいく。

よく見かける黄色い花
トレイルはチソス・ベイスンに面しているため、ウィンドウやチソス・ベイスン、そしてカサ・グランデがよく見える。チソス・ベイスンが段々小さく見えてくると、大分登ってきたのが良くわかる。そして所々には赤や黄色の花が咲いている。

メキシカン・ジェイ
3.5マイルほど登ると、トール・マウンテンとエモリーピークの間のサドルらしき場所に到着する。ここにはトイレとベアボックスが2個設置されている。付近で休憩していると、餌をもらいたいのかMexican Jay(メキシカン・ジェイ)と呼ばれる20cmくらいの青い鳥が集まってくる。ここはちょうどBoot Canyon(ブートキャニオン)との分岐点にもなっており、エモリーピークへ向かう場合はここを右折する。

2009年以前は尾根を登っていく急な上り坂のトレイルであったが、より緩やかな傾斜にして歩きやすいように新しいトレイルが作られた。以前はこの分岐点から片道1マイルだったのが、1.6マイルと0.6マイル長くなっている。ここからがオフィシャルな「エモリーピークトレイル」となる。

エモリーピークトレイルから見える
ブートキャニオン
トレイルからはブートキャニオンやNorth East Rim(ノース・イースト・リム)が良く見える。前方に2本のアンテナが見えてくるころになると、大小さまざまな石がゴロゴロ転がり足場が悪くなる。ここでは尾根を歩くので足を踏み外さないように注意する必要がある。そして高い木が生い茂る岩壁に到着したら頂上まではあと一歩だ。

上から見たところ。
ほぼ垂直の壁を登った先には
360度の絶景が広がる。
実は、エモリーピークトレイルの最後の10メートルはちょっとしたロッククライミングとなる。見ればわかるが、岩はほぼ垂直になっており両端は崖になっている。一歩でも足を滑らせたらとても危険な場所だ。しかし高所恐怖症ではなく、ある程度の運動神経があれば誰でも登ることは可能だ。似たようなピークが左右に2つあるが、右側の2本のアンテナとソーラーパネルが設置されているほうが本当の頂上である。

皮肉にも、この10メートルを登らないと、視界が遮られているためほとんど何も見えない。高所恐怖症の方は諦めるべきだが、そうでない方は無理と思えるようでもチャレンジしてもらいたいものである。

そして何とか垂直な岩壁を登り切った時、ビッグベンド国立公園の全貌を見ることができる。

チソス・ベイスンとカサ・グランデが
良く見える
チソス・ベイスンから見るとどっしり構えていたカサ・グランデも足元に小さく見える。そのすぐ左にはチソス・ビレッジ、そして時計回りにグルっと見渡すと、ブート・キャニオン、サウスリム方面と続き、遠くにはSanta Elena Canyon(サンタエレナ・キャニオン)の亀裂も確認することができる。視界がいい日はどこまでも続くチワワ砂漠を心おきなく楽しめる。

頂上は広くはなく、5人くらいでキツキツになる。頂上とだけあって風が良く吹き、日差しも強い。写真だと茶色い岩山という感じなのかもしれないが、地形の起伏がはっきりと見られ全く飽きることはない。1時間でも2時間でもいられそうな場所である。疲れ切った体に心地よく風が吹き、休憩するには絶好の場所だ。どこまでも続くチワワ砂漠、そして青い空。ビッグベンド国立公園ならでわの絶景が広がっている。

時間と体力があれば是非挑戦してもらいたいトレイルである。次は、South Rim(サウスリム)トレイルについて書いていこうと思う。