1/04/2012

ビッグベンド国立公園の見所 ~チソス・ベイスン③~

山、砂漠、川、峡谷など、さまざまな景色を併せ持つビッグベンド国立公園で一番人気なのは、今まで書いてきている通り真ん中にあるチソス山脈付近だ。

今回はチソス・トレイル・システムのなかで一番長いサウスリムトレイルについて書いていこうと思う。

下から見あげたサウスリム
(右側の絶壁)
サウスリムトレイルは複数のトレイルが合わさった呼び名であるため、「サウスリムトレイル」というものは存在しない。しかし、ビッグベンド国立公園で「サウスリムに行きたい」と言えば、トレイルにいる大体のハイカーはその存在を知っているくらい有名な場所である。

ビッグベンド国立公園のリピーターであれば、恐らく十中八九「体力と時間があればサウスリムへ行け!」と言うだろう。

トレイルのゴールとも言えるサウスリムは、チソス山脈の一番南側の絶壁である。下には背の低い山の起伏がキレイに影になって写り、その周りには真っ平らな大地が続き、遠くにはSierra del Carmen(シエラ・デル・カルメン)、Santa Elena Canyon(サンタ・エレナ・キャニオン)、そして太陽が高い位置にあるときは、Rio Grande(リオグランデ)川がキラキラ反射して見える。

サウスリムからの景色
前回紹介した360度のパノラマ風景が見えるエモリーピークもいいのだが、個人的にはサウスリムからの景色のほうが好きである。サウスリムにはこれまで3回来ているが、同じ景色なのに飽きることは全くなく、「また来たい!」と思わせる場所である。

特に、早朝や太陽が沈む夕方は大地の色が刻々と変化し、砂漠ならではの色を見せてくれる。それも絶壁に位置するため眺めは最高だ。日帰りだとどうしても太陽が一番高い時間帯に到着してしまうことになる。この時間帯の景色もすばらしいが、サウスリムをじっくり堪能するのであればリム付近のバックカントリーキャンプサイトで1泊するのがお勧めである。その際には必ず許可証が必要だ。

サウスリムへのトレイルはループになっているため、時計回り、反時計回りの両方で楽しむことができる。距離も大きなループを歩けば13マイルになるが、左の地図にもあるようにショートカットがいくつかあるため、リムの一部でもいいというのであればショートカットもありかもしれない。しかし、見所はリム全体であり余裕があれば大きな外回りループをオススメする。

チソス・ベイスンからはPinnacles(ピナクルス)トレイル、もしくはLaguna Meadow(ラグナ・メドウ)トレイルが出ている。ラグナ・メドウのほうが傾斜は緩いため膝が弱い人はこちらのトレイルを降りてくるほうが負担は少ない。しかし、登りは若干きつくなる。

今回もピナクルストレイルから登り、ラグナ・メドウトレイルで降りてくることを想定してみる。

逆さまブーツの岩が見えたら
ブートキャニオン到着だ
サウスリムへはEmory Peak(エモリーピーク)と途中までは同じである。ピナクルストレイルを登り切ったところで、右に入るとエモリーピークへ向かうのに対し、まっすぐに進むとそのままBoot Canyon(ブートキャニオン)トレイルとなる。ここから1マイルほどはほぼ平坦な道のりになり、左側のキャニオンと平行に進んでいく。少し右にトラバースするところで、ブーツが逆さまになった岩がある。これが「Boot」キャニオンの名前の由来だ。

このブーツ岩が見えたら今度はブートキャニオンに向かって若干下り坂となる。せっかく稼いだ標高差だが、ここで少しだけ失うことになる。

秋のブートキャニオン
このブートキャニオンはチソス・ベイスンからは想像もできないほど緑が豊富な場所である。秋にはブートキャニオン全体がオレンジ色に紅葉する。ここもテキサスで数少ない紅葉スポットだ。

ブートキャニオンに近づくと木々が多くなる。そして岩がゴロゴロした場所を通過するが、ここがブートキャニオンだ。雨の後などは水が流れ、バックパッキングをする場合は唯一の水源となる。ただし、いつも流れているわけではないので、自分で必要な分の水を持っていく必要がある。

ブートキャニオンの少し手前でColima(コリマ)トレイルとの分岐点があり、そのままブートキャニオンを通過すると今度は左側にJuniper(ジュニパー)トレイルへの分岐点がある。このジュニパートレイルはひたすら下りで砂漠に出るため入らないように注意する必要がある。しばらくは雨水の通り道になりそうな場所を並行して歩き、山の逆側へまわるように歩く。ここでNortheast Rim(ノースイースト・リム)との分岐点があるが、今度は山の反対側になりサウスリムまでは登りとなる。

ノースイースト・リムからの景色
少しずつ青空が見えてくる。そして視界が開ける場所がノースイースト・リムだ。リムの一番東とだけあって東側にあるシエラ・デル・カルメンやリオグランデ・ビレッジが良く見える。また、リムの下を走るJuniper Rd(ジュニパー・ロード)やJuniper Canyon(ジュニパーキャニオン)トレイルとDodson(ドッドソン)トレイルの合流点にある駐車場がわずかながらに確認することができる。

昼間だと太陽が真上にあるため影があまりなく、のっぺりとした印象を持ちながらも多くの人がこの景色を見て感動する。

そして、ここからSouth Rim(サウスリム)トレイルとなる。リム沿いのトレイルはすべて絶壁沿いに歩くのかと思いきや、意外とそうではなく、絶壁と林の中を行ったり来たりする感じだ。ピーク時の感謝祭やクリスマスの終日で込み合っている時期でさえも、グランドキャニオンのサウスリムのような混み具合は一切なく、何しろ広いので人ごみで心配する必要は全くない。基本的にリム沿いは南に面しているが1マイルあるため景色も変わる。

サウスリムからの景色。
遠くに見えるとがった山は
Elephant Tusk。
リム沿いのちょっとした岩場では、ハイカーが思い思いの時間を過ごす。昼寝をしたり、本を読んだり、または無言で景色を眺めている人もいる。

ただ、リム沿いは日陰が全くと言っていいほどない。岩場は太陽で熱されて座るのが大変なくらい熱くなる。冬はその日によってまちまちだが、暖かい日は半そででも十分だし、寒い時はジャケットが必要だ。また、風も結構強い時もあるので、ウィンドブレーカーは手元にあったほうがいい。

左の写真はちょうどリムの中央あたりから見た景色である。サウスリムのどこからでも目につくElephant Tusk(エレファント・タスク)は「象牙」という意味で、確かに少しとがって曲がっているためそれに見れなくもない。

冬は日が短いのもあるため、明るいうちにトレイルヘッドに戻るには、朝早く出発してリムに1~2時間滞在、そしてチソス・ベイスンに戻る必要がある(歩くペースにもよるが、私にはこれが精いっぱいのペースだ)。夏は日が長いので時間に余裕がありゆっくりできるものの、暑いのでリムに長居をしたいとは思えなくなってくる。そのため、1泊のバックパックが一番楽しめる方法だと個人的には感じる。この方法であれば、デイハイキングでは難しい朝日や夕陽の観賞が容易に可能となる。

次はサウスリムの残りについて書いていこうと思う。

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