2/05/2012

グランドキャニオン国立公園: Bright Angel Trail

初めてグランドキャニオン国立公園に足を踏み入れた時のことは今でも鮮明に覚えている。

グランドキャニオンのサンセット
公園のゲートをくぐり、森林地帯を抜け、それまで遮られていた視界が開けた時、オレンジ色に輝く岸壁が目に飛び込んできた。もう9年前になるけれど、あの感動が薄れたことは一度もない。

それ以来何度もグランドキャニオンに足を運び、リムからは見ることのできないコロラド川をいつかは近くで見てみたいと思っていた。その時はハイキングとは無縁の生活をしていたためあまり現実味がなかったが、2007年に仕事でまたアメリカに戻ってきてから環境が変わった。ハイキングの面白さを知り、テキサスの色々な場所を歩いた。

2010年の夏、そのチャンスは巡ってきた。


グランドキャニオン国立公園で、コロラド川まで降りる方法はいくつかある。ノースリムからは、North Kaibab(ノース・カイバブ)トレイル、サウスリムからはBright Angel(ブライトエンジェル)トレイルとSouth Kaibab(サウス・カイバブ)トレイルを下ってコロラド川に到着できる。

キャニオンを切り裂くように流れるコロラド川までの距離は8マイル(12.9km)だ。Bright Angel Campground(ブライトエンジェル・キャンプグランド)までは9.5マイル(15.3km)、Phantom Ranch(ファントム・ランチ)までは9.9マイル(15.9km)である。標高差は3249フィート(1337m)もある(※)。

ブライトエンジェル・トレイルヘッド
トレイルヘッドはBright Angel Lodge(ブライトエンジェル・ロッジ)の側にある。トレイルヘッドから3.1マイル地点にある、3-mile Resthouse(3マイル休憩所)までは交通量がかなり多く、時折ミュールツアーで降りてくる人もいるので人やミュールでごった返す。

ブライトエンジェルトレイルの良いところは所々に水道があることだ。1.5-mile Resthouse(1.5マイル休憩所)、3-mile Resthouse(3マイル休憩所)、Indian Garden(インディアン・ガーデン)には水道とトイレがある。1Lのボトルを持っていけば所々で補給できるので比較的安心だ。

トレイルからの風景
インディアンガーデンまでの少し手前まではスイッチバックがひたすら続き、どんどんキャニオンの中へと進んでいく。後ろを見上げると、どこにトレイルがあるのかが不思議なくらいの絶壁が垂直に伸びている。

標高が変化するごとに植物にも変化が見られる。空に向かって伸びている高い木は標高が下がると姿を消し、サボテンが多く見られるようになる。

地層も同様で、何層にもなっているグランドキャニオンの地層を間近で見ることができる。岩壁が白くなったり、ピンク色になったりと、変化に飛んでいる。

赤い地層で知られるレッドウォールを通過すると、いよいよインディアンガーデンとなる。

インディアンガーデン
インディアン・ガーデンはリムから見ると緑が生い茂っている場所である。リムからは4.8マイル(7.7km)の距離だ。ここにはバックカントリーキャンプサイトがあり、大きな木で日陰ができ、是非休憩に立ち寄りたい場所だ。

夏の気温が上がる時期は、このインディアン・ガーデンを出るところに、「日帰りでのコロラド川往復はやめてください」という看板が掛けられている。

ここからは日陰がなく午後になり気温もかなり上がるため、よっぽどのことが無い限りはやめておいたほうが無難である。もし先へ進む場合は、全身に水を被り上着はビシャビシャの状態にし、水をたっぷり持っていく必要がある。

ここから先は水道はない。またシャツを水が滴るくらいビシャビシャに濡らしても、ほんの20分ほどで乾ききってしまう。湿度は低く高温で典型的な砂漠気候になる。注意が必要な場所だ。

デビルズ・コークスクリュー
インディアンガーデンを出てからは、しばらくクリーク沿いを歩いて行く。背の低いキャニオンの間を歩いていくと、突如視界がひらける場所がある。そこにはコロラド川まで続く第二のスイッチバックが待っている。Devil's Corkscrew(デビルズ・コークスクリュー)という名前が付けられており、夏の午後は日陰がほとんどなく暑さも相当だ。名前の通り夏場のデビルズ・コークスクリューは地獄かもしれない。

このスイッチバックを超えると、またクリーク沿いにトレイルが続く。気温はどんどん上がりながらも側を流れるクリークの音が暑さを和らげてくれる。シャツが乾くたびに水をかぶり体を冷やす。コロラド川に近づくとクリークとは違った水の音が聞こえてくる。

パイプ・クリーク・ビーチ
そして、いよいよコロラド川と対面である。コロラド川は以外にも川幅は広く流れもある。この場所はPipe Creek Beach(パイプ・クリーク・ビーチ)と呼ばれている場所で、コロラド川まで日帰り往復をする人は大抵この場所で折り返すようだ。

パイプ・クリーク・ビーチからブライトエンジェル・キャンプグランドまでは1.5マイル(2.2km)である。



コロラド川沿いのトレイル
ここからはコロラド川沿いに歩く。そしてここからはしばらく登りとなる。さらに途中から砂地となり足を取られとても歩きづらい。気温は40℃を超え日陰もなく、トレイルの中で一番キツイと感じた部分だった。






コロラド川とシルバーブリッジ
コロラド川にはラフティングのツアーが滞在しているようで、黄色いボートが止まっていた。右側は岩壁、左側は崖である。落ちたらコロラド川に真っ逆さまだ。そのような時にミュールツアーが砂埃を舞い上げて通過してゆく。水分摂取量はこの1マイルちょっとの区間で1ガロン近く消化した。飲水はもちろん、体や頭に水をかぶってトレイルを歩いた。コロラド川をまたぐ橋、シルバーブリッジが見えてくればゴールはそう遠くはない。



そして橋を渡る。この端は鉄骨でできているためなのか、シルバーブリッジと呼ばれている。下は金網状になっているため足元をみると茶色く濁ったコロラド川が勢い良く流れている様子がみえる。若干足がすくむ場所だ。

このため、ミュールツアーはサウス・カイバブ・トレイルに繋がっているブラックブリッジを使っている。ブラックブリッジは下が木製なので足元から川を見ることができない。

シルバーブリッジからはブラックブリッジを右手に見ることができる。

橋を降りてコロラド川上流に向かって歩くと家が見えてくる。ブライトエンジェル・クリークが静かに流れ、そのクリーク沿いにキャンプグランドがある。キャンプグランドは早い者勝ちで、バックカントリー許可証さえ持っていれば空いているサイトを使用できるようになっている。

ブライトエンジェル・キャンプグランド
ブライトエンジェル・クリーク沿いを歩いて行くとロッジやお店のあるファントム・ランチに到着である。

すべてミュールで運ぶため物価は高い。しかし、ここのレモネードは「世界一おいしいレモネード」と言われているくらい美味しい飲み物だ。缶ビールは一本$5近くもするのに対し、レモネードは$2.25とお手頃価格である。

本当に世界一おいしいかどうかは謎だが、16kmもの長距離を歩いたら、この冷たいレモネードを不味いという人はいないだろう。

火照った体をスーッと冷やしてくれると同時に、その甘酸っぱさが体に染み渡る。おかわりをしたければ、1杯につき$1でリフィル可能なところもすばらしい。ただし、このお店を出るとゴミ箱は外にはないため、このお店で捨てない場合はリムまで持ち帰りとなる。

ファントム・ランチを訪れたら是非レモネードは飲んでいただきたい。

ブライト・エンジェル・トレイルは、しっかりとメンテナンスされており、とても歩きやすいトレイルだ。リムの上から見るグランドキャニオンも圧巻だが、少しでもトレイルを降りてみると違った角度からグランドキャニオンを見ることができるのでお薦めだ。

歩く際には、推奨されている水1ガロン、塩分補給のためのスナック、日焼け対策は忘れずに。


※トレイルの距離についてはこちらを参照のこと。

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