6/25/2012

カールズバッド洞窟群国立公園のレンジャー引率ツアー: Hall of the White Giant

ニューメキシコ州に位置する巨大な鍾乳洞であるカールズバッド鍾乳洞国立公園では、誰でも入れるBig Room(ビッグルーム)というエリアと、レンジャー引率でしか入ることのできない場所がある。

ツアーは毎日数回開催されているものから、週に1度しか開催されないものまで様々だ。

カールズバッドには何度も足を運んでいて、見れるところは全部見たので、レンジャー引率ツアーに参加してみることにした。

※レンジャー引率ツアーに参加するには事前予約が必須。詳しくはこちらを参照。

色々ある中で、一番難易度が高いとされる"Hall of the White Giant"に参加してみることに。普通であれば難易度の低いものから始めるのかもしれないけど、私はちょっとチャレンジできるくらいが好きなので早速予約を入れてみた。

持ち物は単三電池4本とニーパッドと軍手。ヘッドランプとヘルメットは公園側が貸してくれる。靴はハイキングブーツが推奨されており、汚れてもいい服を着ていく必要がある。バックパックなどの持ち物は禁止されているため、私はコンデジ1つをポケットに忍ばせて参加した。

まずは、ビジターセンターで集合となる。ヘッドランプ付きのヘルメットを渡され、ちょっと匂いが気になるも一応かぶる。そしてレンジャーからの説明を受ける。ものすごく狭いところを這いつくばったり登ったり降りたりするので、閉所恐怖症の人やはしごやロープをうまく使えない人は今のうちに申し出てくださいというものだ。

ビジターセンターで集合
また途中で怪我人が出たりした場合は、その時点でツアーは中止となるとのこと。トイレもないので必ず済ませておくようにとレンジャー・クリスティ。

みんな同意したところで、いよいよ入り口に向かって歩く。入り口はナチュラルエントランスの途中にあり、ツアーに参加したことがない人は100%分からないところから入る。また、入り口の写真は絶対に撮らない、そして具体的な場所を公開しないように言われた。


「ここから入ります!」のレンジャーの一言にみなビックリ。「え?どこから入るの?」というのがほとんどの人の反応だった。私もその内の一人。「こんな岩ゴロゴロの所からどうやって入るのだ?」両親がCaverだったというレンジャーは、何事もないようにスイスイと奥に這いつくばって入ってしまった。この最初の部分は「コークスクリュー」と呼ばれている。その名の通り、凸凹な部分を這いつくばって進んでいく。

写真を撮ろうと意気込んでいたものの、そんな余裕は全くない。私は至って普通の体型。それでも這いつくばってギリギリ身体が通過するくらいのスペース。ポケットからカメラを出すなんてことすら不可能なくらいであった。ちょっとでも頭を持ち上げれば頭上の岩にゴツン!フリースと長ズボンを履いていたけれど、砂埃で真っ白に。さらに口と地面のその差は数センチであるため、砂埃を吸いながら前に進む。自衛隊の匍匐前進(ほふくぜんしん)状態だ。

なぜこんな過酷なツアーに参加してしまったのかと後悔したくらいだった。

ちょっと広い部分に出た。ここでフリースやその他いらないものは置いて行く事にする。匍匐前進が終わったかと思うと、今度はロープを使って大きな岩を登る。

ロープを使って登る前に"On Rope(オン・ロープ)!"と大きな声で聞こえるように伝える。登り切ったら下で待っている人に"Off Rope(オフ・ロープ)!"と伝える。しかし、この大きな岩はツルツルなのと、足をかけられる場所が全くなくて、足をかけたと思ったら滑り、思いっきり肘をすりむいてしまって出血してしまった(この後、すぐに消毒しなかったお陰で、ものすごく化膿してしまい傷跡が残ってしまった)。

意地で登りきり何とかクリア。運動神経はいいほうだと思ったけど苦労した。出血が結構ひどかったので、レンジャーにバンドエイドを貼ってもらう。

途中にそれほど見どころはなく、レンジャー・クリスティはどんどん前に進んでいく。ペースは早くみんな懸命になって前に進む。写真を撮る時間はない。そもそも、一般公開されているBig Room(ビッグ・ルーム)とは違い、照明は頭についている小さなヘッドランプのみ。ISOを上げてもまともな写真が撮れない。

ハシゴもあるので、そのときもロープと同様に一人ずつ登り降りをする。登るときは、"On Ladder(オン・ラダー)"、降りるときは"Off Ladder(オフ・ラダー)"ときちんと大きな声でわかりやすく伝える必要がある。

ク、クリスティ、待って~!
どのくらいの時間が過ぎたのだろうか。這いつくばって、岩を登って、ハシゴを登って、やっとツアーの名前にまでなっているホワイト・ジャイアント(白い巨人)まで来たようだ。ちょうど穴が開いており、その先は広い空間(Hall)となっている。Hall of the White Giant(白い巨人の大広間)と呼ばれているところだ。


一応ここがホワイト・ジャイアントの大広間


さて、問題のWhite Giant(白い巨人)はどこだろう。大広間を見渡すと、左側にどでかい白い物体がある。

最後に姿を現すホワイト・ジャイアント

こ、これか~~!!

確かに大きい。それも名前の通り白い!苦労の末やっと白い巨人とご対面である。

近くまで行くには、ちょっとしたロープワークが必要で、緩やかな坂をロープをつたって登る必要がある。しかし、今までの過酷な道のりに比べたら、このロープワークはお遊び程度と思えるレベルだ。

白い巨人を目の前にして、一息着いたあと、また大広間の入り口まで降りる。

そして、ここで休憩。


みんな泥まみれ。

それでもみんな大満喫の様子。カメラも砂埃ですごいことに。

このあと、鍾乳洞ではおなじみの照明を全部切って、真っ暗闇体験。「右手を顔の前に持ってきて」と真っ暗な中でクリスティが言う。

よく見ると、5本指の手が見える気がする。

「手が見える?それはね、実際には見えていないのよ。脳が勝手に像を作っているだけなの。」とクリスティ。

無いものをあるもののように見せかけているだけなのだそうな。真っ暗すぎて、不思議といろいろなものが見えてくる気がする。

息を整えたあと、きた道を戻る。もちろん、ハシゴありロープありの難関。でも帰り道のほうが楽に感じた。最後のコークスクリューを何とか通過し、ナチュラルエントランスのトレイルに出てきた。

すでに遅い時間になっており、このトレイルはすでに閉鎖されていたので、誰もいないトレイルを歩く。この時もクリスティはものすごいペースで歩いて行き、みんな何とか彼女についていっていた。

エレベータに到着。地上に戻る。クリスティにお礼をいい、その場で解散。

ヘトヘトだ。

レンジャー引率ツアーの中では一番難易度が高いと言われているけど、無事に乗り切ることができた。しかしながら、身体には全身に無数のアザが。腕も足もすべてが痛い。特にすりむいた肘は特に痛みが酷かった。

痛い思いをしたけれど、個人的には満足だった。このHall of the White Giantはよりテクニカルな感じがする。White Giantまでは特に見所という見所はなく、ひたすら難所を通過していく感じだ。

閉所恐怖症がなく、ハシゴやロープを使えるくらいの体力があれば誰でも参加できると思う。ただし、大きめの人は苦労するかもしれない・・・。

2 件のコメント:

  1. 日本にももちろん鍾乳洞はありますけどここまで厳重な管理で、そしてハードな行程…これは普通の観光地じゃ無いですね。。。
    でも、それだけの迫力はあるんでしょうね。

    鍾乳洞も気になるけど、ちょっと冒険っぽいプログラム、いつか自分も行ってみたいかも。

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  2. このツアーは大変でした。でも楽しかったですよ。
    個人的には、同じくらいの難易度のSpider Caveツアーのほうが見所が多くて好きでした。

    これについてはあとで時間のあるときに書いていこうと思います。

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