10/18/2012

2010.7.10 - Horseshoe BendとPetrified Forest

分厚い雲を背景に、オレンジ色に染まった草原が目の前に広がる。そこに、自分の長い影がどこまでも伸びていた。

ひたすら続く大地。この景色もそろそろ見納めである。


昨晩、大騒ぎしていた隣のキャンパーは、だらしのない格好でウロウロしていた。どうやら二日酔いのようである。

あまり関わりたくないので、できるだけ目を合わせないようにして身支度し、4日間お世話になったWahweep Campground(ワーウィープ・キャンプグランド)を後にした。

Page方面に車を走らせ、町の手前にあるGlen Canyon Dam(グレンキャニオン・ダム)に立ち寄ってみる。



ビジターセンターは、手前がお土産や本コーナーになっており、その奥はガラス越しにダムを見渡せるようになっている。


大きなダムの向こうには、火星を思わせるような赤茶色の大地を縫うように、真っ青なLake Powellの湖面が見える。


ダムへ降りるには、ツアーに参加しないといけないため、この景色を惜しみながらもビジターセンターを後にした。



再びUS-89に出て南下。コロラド川にかかる橋をゆっくり渡り、Pageの町を通過する。町を通過して10分弱ほどの距離にあるHorseshoe Bend(ホースシュー・ベンド)に寄ってみることにした。

3年前に訪問したときは、駐車場という立派なものはなく、ただの砂埃が舞う空き地であった。今回の訪問では、きちんとアスファルトが敷かれ、人気になりつつある場所なのだと感じた。



Horseshoe Bendは蹄鉄のようにコロラド川がUの字に見えることから名付けられている。トレイルヘッドから実際のHorseshoe Bendまでは砂地を20分ほど歩いた場所にある。距離的には0.5マイルと短いが、夏場は非常に暑く、日陰も無いので、必ず日焼け対策と飲み物は持参したい。


最初はゆっくりな登りで、登り切るとHorseshoeの向こう側が見えてくる。


サラサラの砂でサンダルの中に入ってきて歩きづらいので、裸足で歩くことにした。



歩きやすくはなったものの、まだ午前だというのに砂が暑く、やけどしそうになりながらさっさと歩いた。20分ほどで崖っぷちに来た。




ここも、柵などは一切なく、すべて自己責任である。恐る恐る崖っぷちまで行ってみると、下には濃い緑色をしたコロラド川が流れている。

こう見るとスケールは分からないかもしれないが、相当なスケールである。川の右側に見える白い点はボートである。



そして顔をあげると、このように茶色い岩を這うように流れる、蹄鉄の形をしたコロラド川が目に飛び込んでくる。時折モーターボートのエンジン音がUの字を描いた岩壁に響き渡る。

28mmでも収まりきれないほどである。恐らく24mmであればスッポリ入るだろう。

よく見ると、家らしきものがあったり、面白い発見ができる場所である。しかし、本当に崖っぷちなので足の置き場所には注意したい。



上の写真は蹄鉄の右上をズームしたものである。2つ上の写真と比較してみると、いかに大きいのかがよく分かる。

若干曇っていたこともあり、アンテロープ・キャニオンは却下、そのまま南下してPetrified Forest National Park(化石の森国立公園)へ向かうことにした。


グランドキャニオンへの分岐点となっている町Cameron(キャメロン)を通過した時には、西側の雲は真っ黒だった。さらに、Flagstaff(フラグスタッフ)の手前に来るとHumphrey's Peak(ハンフレイ・ピーク)は霧がかっており、ここも同じく分厚い雲が3852mの山の上を這うように覆っている。

そろそろ降られるだろうと思いきや、フリーウェイには雨が降り込んでくることもなく、Flagstaffに到着した。ここで、I-40Eに乗り、東に向けて車を走らせる。

途中、隕石が落下したとされる、Meteor Crater(バリンジャー・クレーター)の横を通過する。ここは7年前に一度見ているのと、1回見れば十分という程度の場所なので今回は通過。

Petrified Forest National Parkには入り口が南北に2つある。1つは北の入り口でI-40のすぐそばだ。もう一つは、Holbrook(ホルブルック)という町から南東に伸びるUS-180沿いにある。

今回は、南から北へ抜けることにした。そのため、Holbrookにある285番出口でI-40Eを降りてHwy-180を南東に進んだ。


灰色の雲の中にまっすぐに伸びる一本道。果てしない大地がただただ目の前に広がっている。この色を見ただけで、気分がブルーになる気がしたが、ここは前向きに考えることにした。

ちらほらと丸太らしきものを売っているお店が見えてきたら、公園の入口はすぐそこだ。Petrified Forestには公園の名前の由来にもなっているように、化石化した木(珪化木)がゴロゴロしている。化石はカラフルな石のようで、ついお土産に持って帰りたくなるが、それは厳禁である。見つかった場合は、高い罰金、そして刑務所が待っている。


公園入口のゲートでは、「化石を持っているか?」と聞かれる。またお店で珪化木を購入した場合は、公園出口で必ずレシートを見せる必要がある。あまりにも美しいので、盗む人が多いようだ。

小雨が降る中、ビジターセンターに立ち寄り、オススメのトレイルを聞いてみる。年配の女性レンジャーは、Agate House(アゲート・ハウス)が大のお気に入りだと教えてくれたので、そのトレイルを歩くことにした。

ビジターセンター周りにも短いトレイルがあるので、手始めに歩いてみる。


大きな珪化木がゴロゴロしている。外側はただの腐りかけた木かもしれないが、その中は茶色、赤、青、紫、黄色、白など様々な色から成り立った石のようである。


長い年月による地層の圧力、ケイ酸を含有した地下水が木の細胞組織に入り込むことで、このような美しいものが出来上がる。

景色もしかり、こういう物を見るといつも自然の力に圧巻される。

お土産屋さんを物色した後、オススメのAgate Houseがあるトレイルヘッドまで車で移動する。


Agate House、そして巨木が横たわっているLong Logs(ロング・ログス)をあわせて見ても3.6マイルと比較的短い、舗装された親切なトレイルである。


分厚い雲に覆われながらも、時折雲の隙間から陽が差し込み、美しいコントラストを見せてくれる。


まずはAgate Houseから見てみることにした。見晴らしが良さそうな小高い丘の上に、インディアンが残したその家があった。


このように、珪化木とアリゾナ特有の赤土で作られた家である。値段にしたら相当な額になるのではなかろうか。


赤土のモルタルに、無造作に並べられた珪化木が埋め尽くされている。一つ一つの珪化木を見ると非常にカラフルでたくさんの色が目に飛び込んでくる。これが木とは思えないほどだった。


分厚い雲が一面に広がりながらも、陽射しは差し込んでいるため、珪化木の色も映えて見える。舗装路の上をゆっくり歩きながら、道端に無造作に転がっている化石を眺め時間を過ごす。



トレイルの途中に、注意書きの看板が立てかけられていた。


お店で購入すれば2ドルで買える珪化木も、見つかれば$325以上の罰金、もしくは刑務所行きの可能性もあるという警告である。

「これだけ小さければ大丈夫だろう」と思ったとしても、それを何万人の訪問者がみんなやれば、こういう美しい場所もあっという間に消えてしまう。将来この公園に足を運ぶ観光客が自分と同じように楽しめるように、そのままの状態で保っていきたいものである。

そしてLong Logsに到着。長い木の化石がトレイル脇に置かれている。見かけはただの木のように見えても、中はしっかりと化石化している。


このように、色とりどりの珪化木が、だだっ広い大地に転がっている。そこだけ時間が止まったような感覚さえ覚える。


キレイな珪化木を見ては写真を撮った。当たり前だけど、同じように見えて一つ一つ違う。ある珪化木は茶色が多かったり、あるものは黄色っぽかったり、時には紫が多かったりと多種多様だ。


ほんの3.6マイルのトレイルにも関わらず、かなりの時間を費やしてしまった。トレイルを歩き終えた頃には、太陽はだいぶ傾き、柔らかい夕方の陽射しが一面を照らしていた。


車に乗り込み、I-40に向かって北に走る。道路沿いにあるビューポイントで降りては写真を取って楽しんだ。公園南部は、珪化木などの化石が豊富なのに対し、公園北部はPainted Desert(ペインテッド砂漠)と呼ばれているように、カラフルな縞模様の大地が広がっている。


Blue Mesa(ブルー・メサ)まで来た。青いわけではないのだけど、横に伸びる縞模様が特徴的である。


東側は黒い分厚い雲で覆われているのに対し、西側は比較的雲が少ない。最後にPetroglyph(壁画)がある場所に立ち寄った。


比較的遠くからズームしたので見えづらいかもしれないが、実際はこのような絵が見える。


これで公園の見どころとなっている場所はすべて見たことになる。ふとあたりを見ると、すでにゴールデン・アワーだ。影が長く伸び、あたりは金色に輝いている。


国立公園めぐりをしていると、必ず1回はこういう美しい色に出会うことができる。何もない場所にも美しさは十分存在する。いくら眺めていても飽きない色なのだと思う。


金色に輝く草原の中をドライブする。一面に伸びた雲がよりいっそう美しいものにしてくれている。この景色を見ながらPetrified Forest National Parkを後にした。


I-40に乗ったころ、地平線の向こうに太陽が沈んだ。美しい夕陽だった。暗闇の中、Flagstaffまで運転し、一番最初に見つけたモーテルにチェックイン、1週間ぶりのベッドでの睡眠だった。ずっとキャンプ泊だったため、こんな当たり前の事でも感動であった。



2010.7.3 - グランドキャニオン国立公園サウスリム
2010.7.4 - ブライトエンジェルトレイル経由でグランドキャニオンの谷底へ
2010.7.5 - プラートポイントで夕陽鑑賞
2010.7.6 - サウスリムへの登り、そしてペイジへ移動
2010.7.7 - The Waveの抽選に初当選!
2010.7.8 - The Waveへ行く
2010.7.9 - Coyote Buttes Southを歩く
2010.7.10 - Horseshoe BendとPetrified Forest
2010.7.11 - セドナでプチ観光

2 件のコメント:

  1. 「火星を思わせるような赤茶色の大地を縫うように、真っ青なLake Powellの湖面が見える。」の表現、今までどういったらLake Powellのことをうまく言い表せるかなあと思っていたのですがもうぴったりです!

    化石の森国立公園とそちら方面もまた面白そうな地形もいっぱいですね。 いつかサウスウエスト方面にもう一度行くことがあればそのときはそちらも行ってみたいです。

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  2. ありがとうございます~。

    化石の森国立公園は、あまり期待していなかったのですが、思っていた以上に楽しめました。景色というよりも化石を見たりするほうが多いかもしれませんが、これはこれで大自然の力を魅せつけられた気がします。

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