急いで朝食を作り、テントを車に放り投げて、とりあえずお腹いっぱいになったところでさっさとキャンプサイトを後にした。
さて、今日は何をしよう。
3年前、公園入り口付近にあるDevil's Den(デビルズ・デン)トレイルに挑戦したのだけど、トレイルというトレイルはなく、砂漠をさまよった挙句に怖くなり、失敗に終わってしまった。
あれ以来ハイキングは結構しているしGPSもあるし、ということで再挑戦してみることに。Devil's Denは公園の北側から入るとDog Canyon(ドッグ・キャニオン)の南側に見える岩の切れ目である。一応トレイルはあるのだけど、ほとんどないに等しいのでクロスカントリーハイキングとなる。トレイルは往復5.6マイルで、標高差もそれほどないのだけど、クロスカントリーなので時間はかかる。
Dog CanyonトレイルヘッドはPersimon Gap Visitor Centerから3.5マイル南にある。道路の東側に縦列駐車ができるスペースがあり、すぐ横からトレイルが出ている。
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| Dog Canyonトレイルヘッド |
最初は何もないまっ平らな砂漠の大地をDog Canyon方面に向けて歩き、大きなウォッシュに出たら右折する。ここからが問題なのだ。
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| Dog Canyonは左、Devil's Denは右 |
前回はウォッシュを行きすぎて、キャンプサイトの方面まで行ってしまった。おかしいと思い引き返したら大きなケルンがあったので、そこからウォッシュを出てみたものの、トレイルらしきものはなく分からなくなり、引き返したという結末だった。
しかし、歩けど歩けどケルンが見つからない。足場も悪く、砂地だったり大きな岩がごろごろしていたりと歩きづらい。GPSを見ると、また前回と同じミスをしてしまったようだ。分岐点を通り過ぎてキャンプサイトのほうまで進んできてしまっている。
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| ドライウォッシュ。横から何か出てきそう・・・。 |
引き返してみるも、ケルンらしきものはない。恐らく、雨が降ってケルンが流れてしまったのだろう。所々に洪水の後らしきものがあった。
また諦めるのも悔しいので、登れそうな場所を選んでウォッシュから出てみた。Dog Canyonは容易にわかる。Devil's Denも位置は把握できた。GPSのトポマップをみながらそっち方面に歩いてみることにする。
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| 岩の切れ目がDevil's Den |
しかし!
砂漠の大地は足の踏み場もないくらいトゲトゲしい植物で覆われていた。そしてまたやってしまった。プツッと足に刺さり出血である。バックパックを降ろし、救急キットを取り出して絆創膏をはる。それでも血が滲み出てくる。痛くはないのだけど面倒だ。
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| キャニオンの南側にはうっすら見えるトレイルがあった |
景色を見るというよりも、足の踏み場を確保するのに神経を使う。
そして、GPSだけではどうもわかりづらい。現在地は示してくれるので安心だけど、こういうクロスカントリーをするときはやはり大きめの地図が欲しい。
日陰は一切なく、太陽は容赦なく照りつける。冬なのに90F(30℃超)はありそうな気温。半そでだとじりじりと肌が焼ける。地図では行けそうだと思っても、ウォッシュに出てしまって下りられなかったり、砂漠の植物が邪魔をして通過できなかったりと、思っていたよりも大変だった。
ようやくDevil's Denの入り口に到着したときは一安心。キャニオンの南側を登っていく。中に入れるようだけど、大きな岩などがあり、ロッククライミングのスキルがないと最後まで行けないというので、私はキャニオンのリムを歩くことにした。
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| Devil's Den入り口 |
ここらへんでようやく、うっすらと見えるトレイルに遭遇した。見えなくともトレイルというものは歩きやすい。順調に進んでいくも、途中から岩になり、最初はケルンを目印に進んでいたけれど、ケルンすらもなくなってしまった。
辺りはトゲトゲしい植物。座る場所もなく、暑さでしんどくなってきたので、Devil's Denの半ばくらいまで歩いたところで引き返すことにした。今回もまた失敗である・・・。最後まで歩くとDagger Flat(ダガーフラット)に出るようなのだけど、それらしきものは見当たらない。
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| 一面の砂漠地帯。景色はなかなか良かったものの、足の踏み場を探すのが大変だった。 |
帰りはうっすら見えるトレイルを歩いたら、ものすごく簡単にもとのウォッシュまで戻ってくることができた。目印となる場所はWaypoint(ウェイポイント)に登録しておいたので、次にチャレンジする時は迷子にならなそうだ。
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| 標高差はキャニオンを登るときだけ。あとは平らな砂漠地帯。 |
ウォッシュの合流地点には、やはりケルンはなかった。最後まで行けなかったのは残念だけど、砂漠でのクロスカントリーはできたので満足感はあった。結局歩いた距離は8マイル、ウロウロしすぎて無駄な体力を消費してしまった。
こうやってみるとキャニオンのリム沿いを歩いていたつもりが全く歩いていなかったことになる。恐らくリムに沿っていれば、ゴール地点であるDagger Flat(ダガーフラット)に到着できたのかもしれない。
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| あっち行ったり、こっち行ったり・・・迷いました |
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| 無駄に歩いたのがバレバレのプロファイル |
ウォッシュを出て、真っ平らな土地を歩いていると、またNPSの飛行機が飛んでいた。
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| またパトロールの飛行機が上空を通過 |
駐車場でブーツを脱いで汗を拭いていると、ボーダーパトロールの警察官が登場。「何かやらかしたのかな?」と内心ビクビクしたものの、質問は「ハイキング中誰かとすれ違ったか」だった。10時から2時までの4時間歩いたけど、誰も見なかったと伝えると、「どこかにテントはなかったか?」と聞いてくる。テントも見なかったというと、今度は私の後ろに止めてある車を指して、「あの車はどのくらい止まってるか知ってるか?」と質問してきた。私が来たときは、前に1台しかなかったので、この車は10時AM以降に止められたものだと伝えると、「ありがとう!」と言って去ってしまった。
昨日も今日もNPS Patrolの飛行機が飛んでいるのを見てるので、遭難者が出たのかもしれない。
このまま、この日の夜から3泊するPaint Gap 1キャンプサイトに行っても良かったのだけど、途中にあるDagger Flat Auto Trail(ダガーフラット・オートトレイル)をドライブしてみることに。ここは自動車で走れるトレイルである。未舗装路だけど、レンジャーはセダンでもOKだと言っていた。
最初はならされた未舗装路なのだけど、次第にボコボコ道になり、砂地になり、難易度が高くなってくる。SUVであれば全く問題ないのだけど、奥に行くほど砂が深くなり、私のコンパクトセダンではパワーが食われて危なかったので、これもまた途中で引き返すことに。
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| Dagger Flat Auto Trailからの景色。セダンではキツイ。 |
ビッグベンドを思いっきり楽しみたい場合は、やはりSUVは必須だ。
そして、おとなしくPaint Gap 1のキャンプサイトに向かった。このキャンプサイトもまた未舗装路を通らないとアクセスできない。途中、ウォッシュを2か所通過する。ゆっくり通過すればセダンでも問題なかった。10分ほど走ったところにキャンプサイトはあった。
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| Paint Gap 1。PG1と書いてある。 |
周りは360度何もない砂漠地帯。チソス山脈も良く見える。解放感があってすぐに気に行った。サイトは駐車スペースと、テントが2つ張れるくらいのスペースがあるだけで、ユーティリティは一切ない。未舗装路のさらに奥にはさらに3つキャンプサイトがあるのだけど、交通量は極めて少なく、とても静か。Javelina(ハベリーナ)が出るようで、大きいBear Box(ベアボックス)が設置されていた。
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| テントを奥に設営。手前にあるのはBear Box。 |
バックカントリー許可証をサイト入り口のポールに取りつけて、さっそくテントを張ってみる。ペグもしっかり入り、とりあえずは大丈夫そうだ。チソス山脈のほうを眺めていると、砂埃を巻き上げて1台の車が近付いてくる。どうやら誰かが来るようだ。
友達のスティーブだった。知らせておいたのはキャンプサイト名だけだったから心配だったのだけど、無事に合流できた。スティーブとは1年半前にグアダルーペ国立公園のトレイルで会い、何回か食事をしたりしている。
かなりのアウトドア派で、ハイキング、バックパッキング、カヤック、自転車、などなどなんでもこなす人である。そんなスティーブでも、晩御飯だけはレストランで食べたいというので砂漠で夕陽を見てからレストランに行くことにした。
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| 北側の景色 |
太陽が低くなり、地平線スレスレになるとあたりがオレンジ色に輝く。そして、Chisos Mountainsも同じく、オレンジと日陰のコントラスト、そして流れるような雲が美しい。
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| 南側にはChisos Mountains |
砂漠でのバックカントリーキャンプにして大正解だった。太陽はゆっくりと西の空に沈んでいった。
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| 西の空。流れるような雲が出ていた。雨の予感? |
Paint Gap 1キャンプサイトからレストランやロッジのあるChisos Basinまでは片道30分弱のドライブである。実は、私はレストランでご飯を食べたことがなかったので今回はちょっとワクワク。キャンプサイトで食べたほうが手っ取り早いし、安く上がるのでいつもそうしてるのだけど、今回は色々なレストランを探索してみることにした。
駐車場は混みあっている。ここには公園内で唯一のレストランとロッジがある。レストランに向かう途中、入り口の階段にタランチュラが・・・。薄暗かったのだけど、もっさりした直径8cm程度の黒いものが足元にあり、よく見たらそれだった。夏、道路を走っているとよく横切っているのを見かけるけど、こんなに近くで見たのは初めて。ガラガラ蛇といい、このタランチュラといい、こういう見たことのないものを見るのもまた楽しい。
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| カメラは持ってなかったのでスマホで撮影。モコモコしてた。 |
レストランの中はちょっとロッジ風の建物である。ちょっとしたお土産屋さんがあり、その一角でロッジのチェックインを行っている。
この日はテキサス地ビールに当たり外れがなさそうなBig Bend Burger(ビッグベンド・バーガー)となるものを注文。Medium Rareで頼んだのに、スティーブのはレア、私のはウェルダンで来た。結構いい加減なレストランだ。味もいまいちで美味しいとは思えなかった。それでも久しぶりの再会に会話は弾み、楽しいひと時だった。
お腹もいっぱいになったところで、真っ暗な中キャンプサイトまで戻る。比較的暖かく、薄手の長袖シャツとフリースで十分だった。
空にはうっすら薄い雲がかかっていて、星はそれほど見えなかったけど、チソス山脈のシルエットが浮かびあがり、動物の鳴き声も、風の音もない、無音の世界だった。久しぶりにぐっすり眠ることができた。


















砂漠でのクロスカントリーハイキング、なかなか大変そうですね。 ケルンが見当たらなかったり、とげとげしい植物など行く手をさえぎるような気配さえ感じます。自分ではいけないところの色々な様子をさとこさんの旅行日記でいつも大変楽しく読ませていただいています。まるで自分が歩いているような気分になりました。やはりGPSは必須ですね。
返信削除ベアーボックス、はじめてその存在を知りました。
このトレイルは歩くのが大変でした。常に足元を見ていないと刺されるんですよね・・・。
返信削除GPSはあると便利ですね。でもナビゲーションはやはり紙の地図とコンパスが一番かと思います。それと合わせてGPSだと間違いなさそうですね。GPSは電池が切れたり、動かなくなったりということもあるので、頼り切ってしまうのも危ないと思います。
ビッグベンドは訪問者が少ない割には、こういう対応はしっかりしているみたいで、Developed Campgroundはもちろん、バックカントリーキャンプサイトでもサイト指定の場所でクマやハベリーナが出る場所は設置されています。ゾーンキャンプは好きなところにテントを設営できるので、食べ物は自分でしっかり管理する必要がありますね。