しかし、「通過不可」とはどのような状態を意味するのかは、いまいちわかっていなかった。きっと、雨が降ってドロドロ、グチャグチャになるのだろうな・・・くらいにしか考えていなかったと思う。
8/16の日は、エスカランテからカナブへの移動日だった。エスカランテを出る前に、ちょっとUT-12を北に走りCalf Creek(カルフ・クリーク)を一望できる場所まで行ってみる。
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| カルフ・クリーク付近 |
ちょっと視界は悪かったけど、朝日に照らさられてキレイだった。ここで昨晩のピザをいただく。ここらへんは白っぽい岩が多いみたいだった。下のほうには歩く予定だったカルフ・クリークが見える。少しゆっくり景色を眺めてからカナブに向けて出発した。
普通はUT-12を西に走り、US-89を南下してカナブまで行くのだろうけど、今回は初めてCottonwood Canyon Road(コットンウッド・キャニオン・ロード)という南北に走るダートロードを通ってみることにした。
Cottonwood Canyon Roadはエスカランテから34マイル西にあるCannonville(キャノンビル)のUtah S.R. 12とUS-89を南北につなぐダートロードで、47マイルのシーニックロードとなっている。Kodachrome Basin State Park(コダクローム・ベイスン州立公園)の西側を通り、最初は南東に延び、途中から南へと方向を変える。最終的にはUS-89のカナブとペイジの中間地点あたりに合流する。
道路の状態は、エスカランテを出る前にビジターセンターに立ち寄り聞いてみた。「キャノンビルのビジターセンターのほうが詳しいから、ダートに入る前にそこで聞いたほうがいい」とのことだったので、キャノンビルまで車を走らせる。
キャノンビルのビジターセンターでは「通過可能という情報は入っているから多分大丈夫だと思う。でも通過できそうなところがあったら、引き返したほうがいい」とのことだった。
コットンウッド上にはいくつかトレイルヘッドもあり、2箇所ほど立ち寄る予定だった。コダクローム・ベイスン州立公園を通過し、本格的なダートに突入する。
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| Cottonwood Canyon Road。るんる~ん♪ |
砂埃がすごいので、間隔をあけて運転する。次に止まる場所は、17マイル先のGrosvenor Arch(グロスベノア・アーチ)である。
グロスベノア・アーチは、ナショナル・ジオグラフィック協会の会長であるGilbert Hovey Grosvenorに基づいて命名されたようだ。立派なダブル・アーチで、アーチまでは徒歩数分の距離である。駐車場からアーチまでは舗装されているため車椅子でもアクセスが可能だ。駐車場にはトイレもあり、アーチ付近にはベンチも取り付けられているなど、ほどよくメンテナンスされている場所だった。
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| Grosvenor Arch |
ここで、Nikon D7000のレンズキャップが行方不明に・・・。それほど致命的でもないのだけど、キャップのくせに20ドルもするので、できれば見つけたかったのだけど見つからなかった。
またCottonwood Canyon Rdに戻り、次はYellow Rockと呼ばれるところにアクセスできるトレイルヘッドまで移動する。グロスベノア・アーチからは15マイルほど。
しかし、途中に「写真に収めておきたい風景」を発見!
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| Coxcombを通り過ぎたところで停車 |
車をちょっと路肩に止めさせてもらい、それが見える場所までちょっとだけ歩く。
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| The Coxcomb。確かに「とさか」に見えなくもないような・・・ |
Coxcomb(コックスコーム、「とさか」)の呼ばれている場所で、トゲトゲしたようなカラフルな岩が両側に密集している場所である。Cannonvilleから来る場合は、ちょっとした坂を登り終えた後にあり、両側がトゲトゲしているのですぐに分かるはずである。
景色もいいし、このダートは比較的走りやすく、すぐに気に入ってしまった。不思議な景色が続く。次のストップは、Hackberry Wash(ハックベリー・ウォッシュ)である。
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| Cottonwood Canyon Road |
そしてハックベリー・ウォッシュの駐車場に到着。最初は、ハックベリー・ウォッシュを少しだけ歩き、その後はYellow Rock(イエロー・ロック)まで登ってみることにした。
ハックベリー・ウォッシュは両側が緩やかなキャニオンになっている。水はなく、ほぼ乾いている状態だった。
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| ハックベリー・ウォッシュ |
特に特徴的な景色はなかったのだけど、とても静かで、ちょっとひっそりしている場所だった。ちょっとした日陰で昼食を取ることにする。またこの日もおにぎりをいただく。ハイキングにおにぎりは本当にピッタリのコンビネーションだと思う。
そして自前のビーフジャーキーに、デザートはオレンジ。やっぱり歩いた後に、こういう自然で食べるご飯というのは一段と美味しく感じられた。
お腹もいっぱいになり、エネルギーが補給されたところで、イエロー・ロックを目指す。「黄色い岩がある」というだけで、他は何も知らないので友人の後を追ってハイキング。
一旦ウォッシュに出た後、ウォッシュを右に曲がり、上流に数百メートル歩いたところで、裏側に周り「これでもか!」という急なゴロゴロ岩の坂道を登っていく。
しかし、ここから雲行きが怪しくなってきた。どんよりした黒い雲が近づいている。またか・・・。
ちょうど、このゴロゴロ岩の急坂を登り切ったところで、イエロー・ロックが姿を現した。しかし、その上には真っ暗な雲、雨も降っているようだ。
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| Yellow Rock。確かに黄色いのだけど、曇ってるとイマイチ。 |
すると、間もなく、ポツッポツッと雨が降ってきた。なぜ毎回こうなのだろうか。
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| 急な登り。岩がゴロゴロしている。 |
カメラをバックパックにしまう前に、登ってきた急な坂道を一枚!でも写真だとやっぱり伝わらない。そして本格的に雨が降りだしてきた。
猛ダッシュで急な坂道を降りる。自分でもビックリなスピードで降りてきた。そして急いで駐車場へ向かい、すぐにその場を立ち去る。少し南に走ると雨はやみ、とりあえず一安心。
このあとは、US-89に出てカナブに行ってもよかったのだけど、最後にWahweap Hoodoo(ワーウィープ・フードゥー)に寄ってみようということになった。ここは、白いエリンギのような形をした岩が密集する場所である。US-89に合流する少し手前のダートを左に入り、そのまま東に向けて進むとあるらしい。
ちょっとした駐車スペースに車を止めて、ここからは車1台でワーウィープ・フードゥーまで移動することにした。少し走ったところで、"Administrative Road"というサインが見える。通常、Administrativeと書かれている場合は、一般の人は入れないことが多いのだけど、どうやら道はあっているようなので先に進むことにする。(※)
急な登り、下り、ウォッシュを通過したりなど、難易度はCottonwood Canyon Rdよりも高い。そしてあと3マイル地点で到着という時に、予想もしていなかったことが起こった。
ポツッ、ポツッと雨が降ってきた。
しかし、すぐに本格的な雨となり、ザーザー降りだす。「ダートは雨の時は走るな」という言葉が頭をよぎり、「引き返しましょう」と言った直後、車が若干スリップした。
まさか・・・
車は斜め横にズルズルと滑っている。これは・・・かなりヤバイ・・・。
雨が降りだして1分も経っていないのに、道路はすでに"Impassable(通過不可)"になってしまった。前にも行けず、後ろにも行けず、アクセルを踏んでもハンドルの制御は効かず、タイヤは空回り、ズルズルと横にスリップするだけ。一瞬の出来事だった。
周りを見渡すと、あっという間に水たまりができ、今までは「ただの固い道路」だったのが一瞬で粘土に変化した。完全にスタック状態である。
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| 1分の雨でこの状態に。恐るべし。ここで完全にスタック。 |
私は若干取り乱し、ギャーギャー何か言っていたと思う。正直、友人に何を言ったのか覚えていない。
しかし、友人はものすごく冷静で、「乾燥地帯だから道路は1時間で乾く。ちょっと様子を見てくる。」と言ってどこかへ行ってしまった。私は、ちょっと落ち着くため、手元にあったお菓子を手当たり次第食べる。
確かに、これで死ぬわけではない。水も2日分は余裕であるし、食べ物だってキャンプフードであれば3日分は余裕である。最悪のケースを考えても、一晩野宿である。そう考えたら、そんなに悲観的に考えなくてもいいのではないかと思い始めた。
お菓子を食べて落ち着いたところで、外に出てみることにする。
一歩踏み入れてみると、グニャッとブーツが沈み、足を持ち上げてみると大量の泥がブーツに付着していた。歩くのもやっとな状態なのに、こんな状態を車で走るなんて不可能である。
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| 局所的な雨だった。 |
外に出てみると、水がゴーゴー流れている音が聞こえる。あれだけの雨でこんなになってしまうのか。「雨が降ったらダートは走るな」とレンジャーには何度も言われたけど、それがどういうことを意味していたのか、実際に体験してみて初めて理解できた。確かにこれは4WDでも無理だわ・・・。
友人は先ほど私が聞いた川を見に行っていたらしく、結構勢い良く流れていると教えてくれた。そして今度は反対方向に向かって歩いて行ってしまった。
雨もやみ、ときどき柔らかい日差しが差し込む。これはこれでキレイな景色だった。
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| スタックした所からの景色。キレイだった。 |
あたりを見回すと、若干表面が乾いてきている気がする。最初は疑っていたけど、友人の言ったことは正しいのかもしれない。本当に1時間待てばここから脱出できるのかも。
友人がまた戻ってきた。あと20分待てばある程度乾いて脱出できるだろうというので、おとなしくもう少しだけ待つことにした。
今回、ありがたかったのは友人がいたことである。これが一人だったらと思うとゾッとする。
20分経過したところで、エンジンをかける。先程は否応なしにズルズルと滑っていたタイヤは大丈夫なようだった。友人はバックで緩やかな坂を一気に逆走し、ちょっとしたスペースのあるところでUターン、そして向きを変えることができた。
脱出成功である。
帰り道も心配だったのだけど、その心配は無用だった。実はかなりの局所的な雨で、私達がいたところだけ降ったらしく、スタックしてから200メートル先はカラカラに乾いていた・・・。ただ運が悪かったようだ。
途中にあった幾つかのウォッシュも問題なく通過。そしてそのまま駐車場まで戻り、また車2台でカナブまで向かうことに。
Cottonwood Canyon RoadからUS-89が見えた時は、本当にホッとしたし、「戻ってこれた~」という感動が大きかった。
US-89で右折をし、カナブまで走る。この日から3日間はUS-89沿いにあるHitch-n-Post RV Parkという場所でテントキャンプする予定だった。チェックインをすると、ロッジでの予約となっていたようでちょっとした手違いがあったものの、キャンプサイトを割り当ててもらい、その後すぐにRV Parkの隣にある洗車場へ向かった。
スタックしたときに泥が大量に付き、酷い状態になっていたので洗い落とす。しかし、泥はプレッシャーウォッシュでは全く落ちなかったので、手でガリガリと泥を剥がしたあと、プレッシャーウォッシュでキレイにした。車はキレイになったけど、跳ね返りの水で今度は自分がドロドロになってしまった・・・。
シャワーを浴びて泥と汗を落とし、服も着替えてキレイサッパリした後、カナブの町にあるRocking V Cafeでバッファローステーキと地ビールをいただいた。バッファローステーキはちょっといい値段だったけど、しっかりした味で柔らかくとっても美味しかった。美味しいお肉を頬張り、程よく冷えた地ビールを飲みながら、今日のハプニングを振り返り、時折笑いも入りながらの楽しい夕食だった。
この日の体験は自分としてはかなり貴重な体験となった。今まで何度と耳にした「雨が降った時はダートは走るな」というのがどういうことなのかを身を持って体験できた一日であった。
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| スタックしても美しい景色は見れるのである・・・ |
※ 現在は、Cottonwood Canyon Road経由でWahweap Hoodooへのアクセスは禁じられています。アクセスはBig Waterから片道4マイルのハイキングでのみ可能です。"Administrative Road"はレンジャーが使う道路であり、見つかった場合は罰金の対象となるので走らないほうがいいです。
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ほんの短い間なのに雨が降ると砂というか土が完全に溶けたような感じになってしまうようですね。 危ない思いをしたとき、でもよく事情をご存知名お友達と一緒だったこと、読んでいる私も安心。
返信削除スタックしてしまった道はCottonwood Canyon Rdから入った別の道だったんですね。 いろいろ読むとCottonwood Canyon Rdはあのあたりでも一番走りやすい道とは聞いていますが4Wでお天気がよくてきちんと水や食料など余分に積むくらいの十分な準備が必要ですね。
ああ、今日の旅日記も、いい旅させてもらいました、たくさんの素敵な写真もなんだか行った気分になりそうです。
私もビックリしました。泥というよりも粘土ですね。Clayなので。。
返信削除スタックしたのはCottonwood Canyon Roadからちょっと横道に入ったダートで、Googleで見ても道路の名前は書かれていないです。いつも車には2ガロン(ダートを走る度にキャップが外れて車がびしょ濡れになりましたけど・・・)、食料もキャンプだったのでいざとなったら野宿は余裕なくらいありました。
Cottonwoodは最近はあまりメンテされていないようで、途中結構深い砂地が一部ありました。区間は短かったですが、セダンでは微妙な感じでした。