| 3日目は緑の線を歩いた |
3日目ともなると体に疲れが溜まってきているのがよく分かる。目覚ましで起きてみると空は薄暗く、まだ星が出ていた。真っ暗ではなかったのでライトは点けずに作業をする。
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| 3つめのスロット 1000m近い登り |
いつものようにテントを片付けてから朝ごはん。この時にはちょうど薄暗いくらい。なぜ今回の旅行のご飯やキャンプサイトの写真がないかというと、実は暗いうちに作業をしているからなのである。いつもはマメに食事ごとの写真をアップしたり、キャンプサイトの状況を伝えるために写真を撮るのだが、真っ暗で三脚もないため無理だった。
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| 朝のBlue Creekトレイル |
レッドロックエリアはずっとドライウォッシュを歩く。両脇には奇岩がそびえ立ちユタを歩いている感じがする。しかし、周りはだいぶ明るくなったとは言え、このあたりには光が差し込まず全く色が出ない。やはりこの地域は午後か夕方に訪れるのがよさそうだ。
最初の数マイルはドライウォッシュを歩き、だんだんと木が生い茂るエリアに到着する。そこを抜けるとブルークリーク・キャニオンをスイッチバックで登っていく。ここまでくるのに2時間半かかった。
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| 上まで登ったところで Laguna Meadowに合流 |
確かに、トレイルの真ん中に大きなフンが落ちていた。それもついさっきではないだろうかと思われるような感じだったので、友だちとクマが付近にいるかもしれないと話していた矢先だった。
この4人組と私たちとの間隔はほんの10分ほどだったため、ごく微妙の差でクマを逃したことになる。遭遇したら遭遇したでビックリするだろうけど、是非一度トレイル上で見てみたい気もする。
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| 上から見たBlue Creek 遠くにはSanta Elena Canyon |
甘いお菓子を食べながら、サンタ・エレナ・キャニオン方面を見ると、昨日見たCarousel Mountainやレッドロックが遠くに小さく見える。今朝まではあのすぐ側にいたのに、今はもうこんなに離れた場所にいると思うと不思議な感じがした。蛇のようにのろのろ歩いている私だが、着実に進んでいるのを実感した。
ビッグベンド国立公園は、写真で見ると単調な景色かもしれないが、実際にその場で見た時のインパクトは写真で見るのとは全く違う。何しろ広い!フレームの中の景色は視界に入るほんの一部なのである。この茶色と青のコントラストに感動するのも多少時間を要するのかもしれないが一旦ムシに取り憑かれるとすぐまた見たくなる景色なのだ。なんとも不思議である。
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| トレイル分岐点 |
サウスリムはここから2.5マイル。いつもだったら「楽勝」と思うのかもしれないが、今回はこのレグが一番辛かった。友達にも置いて行かれ、重い足を何とか持ち上げながら一歩一歩前に進む。こんなに登りがシンドイと感じたのは久しぶりだ。
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| Blue Creek Fire |
1マイルほど歩いた所でまたトレイル分岐点にぶつかった。この時点でサウスリムまでは1.7マイル。まだ1.7マイルも残っているのか・・・。足は棒だし、肩は凝っているを通り越して多少麻痺している。ウエストでほとんどの重さを支えていても肩が痛い。何とか肩の痛みを軽減させようとバックパックのストラップを調整してみる。少しは楽になり、また痛くなっては調整の繰り返し。
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| トレイル上の松の木 |
しょっぱい物を食べると喉が乾き、水も飲んで少しながら生き返った気がした。Camelbakにはポカリスエットなどのスポーツ飲料を入れると掃除が大変なので水しか入れないようにしているけど、こういうタフなハイキングの場合はスポーツ飲料も飲むべきなんだろうなと考えた。何しろ水だけだと飲めない時がある。
ヨロヨロと歩いていると友達が迎えに来てくれた。バックパック両側に入っている水のボトル2つを取り出しキャンプサイトまで持ってくれた。2L分軽くなるだけで足取りが早くなる。
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| SW4キャンプサイト |
しかし、ここから30メートルほど奥まったところが実際のキャンプサイトであるため、そこまで頑張って歩く。このサイトはリムにほど近く(この看板からはほんの数分)、木に囲まれているため風もなく、近くに他のキャンプサイトがないので静かでパーフェクトに近いサイトだ。ただし狭いためテントは2つしか張れない。
サイトにはチソス・ベイスン・キャンプグランドにもある大きいベアボックスと、小さめのものと2つ備わっていた。まずはバックパックを開けて水と食料はすべてベアボックスに移動する。
そして疲れてはいるけどテントの設営。帰ってきたらすぐに寝れるように身支度をしておく。バックパックは空なのでベアボックスへ。テントはクマが来て壊さないように、入り口は開けておく。夕飯は差スリムで夕日を見ながら食べることにしたので、夕飯に必要なストーブや水などはすべてデイパックに詰め込む。
そしていざ待望のサウスリムへ!!
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| サウスリムからの景色 |
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| エレファント・タスクとともに |
ここで記念に1枚。エレファント・タスクを背景に撮ってもらう。黒いのはハエ。無数に飛んでいた。
ここから東方向にリム沿いを歩くことにした。まだ3時。日が暮れるまではあと3時間ある。リムを歩きながら写真を撮る。
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| 東の方向 |
手前は茶色、遠くになるに連れて色が薄れ空と重なり、その上に真っ青な空が無限に続く。ここでも私の「来てよかった!」の思いが蘇る。この日は本当にキツかった。こんなに歩くのがキツイと思ったのは初めてかもしれない。グランドキャニオンの登りだってこんなに辛いとは思わなかった。
だけど辛いだけでは終わらず、必ずこういう素晴らしい景色が待ち受けていてくれる。この日もサウスリムからの景色を見るために頑張って歩いた。
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| サウスリムで昼寝 |
ほどよくリクライニングのような姿勢をとれる岩を発見。ブーツも脱ぎ捨てて、デイパックを枕にして一眠り。若干肌寒いが陽が照っているので十分温かい。
去年の同じ時期にきた時は、デイハイキングだったため昼寝なんて余裕は全くなかった。今年の夏来た時は岩が熱せられたフライパンのように熱くて座ることすらできなかった。
そしてようやく、こうやって青い空を見上げながら昼寝をすることができた。かれこれ1時間ほど昼寝をした。いい時間だった。
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| 遠くに見えるシエラ・デル・カルメン |
そしてまたキャンプサイトにほど近いサウスリムの最西端に戻ることにする。下を見るとだいぶ影が落ち始めた。ここからが写真を撮るには面白い時間なのだと思う。
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| 夕食! |
この日はチリ&マックにした。チリとマカロニが混ざったものだ。自分で調理したものを乾燥させたのだけど、なかなか美味しくいただける。お湯を沸かしながら写真もかかさずに撮る。なんとも忙しい。
お湯が沸き、チリ&マックを入れて混ぜた後放置する。燃料は可能な限り使わないようにするため、沸騰したら火を消してあとは10分待つだけ。
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| サウスリムでの日の入り |
この時は「疲れた」なんていう言葉は自分の辞書にないくらい歩きまわった。ボディーとレンズで1kgになるデジタル一眼を持ってきて本当によかったと思えた瞬間だ。
コンデジだったらきっと悔やんだに違いない。
余りにもご飯を放置するのも何だし、カメラ無しで景色を堪能したいという思いもあったのでここで夕日鑑賞しながら晩ご飯にする。
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| 温かいご飯をいただく |
リムの下はほとんど影になってしまった。ただし、リムの岩壁はオレンジ色に輝いて、昨日のレッドロックと張り合うくらい迫力があった。
驚いたのが人が全くと言っていいほどいないこと。3時頃リムに出てきたけど、その時ですら見かけたハイカーはほんの数人だった。去年はリムはかなり賑わっていたのにどういうことだろう。
今回は我々二人がこのだだっ広いリムを貸切状態。それもこの絶景を独占している。
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| 赤く染まるリム |
リムには人が立っているのも見える。この景色を見るにはデイハイキングでは厳しいものがある。見えるけど帰りは真っ暗闇をヘッドライトを点けて歩かなければならない。
そのため今回はチソス・ベイスンに戻らず、サウスリムに一泊することに決めた。重い荷物を背負って大変だったけど、この夕日はそれだけの価値は十分にあると感じている。
萌え尽きるような岩壁も太陽が沈んでいくとだんだんと色褪せる。しかし、今回面白いと思ったのは、沈んだ後の色だった。地平線はピンク色に染まるが、そのピンク色がサウスリムの下に広がる丘陵地帯にも写ったのだ。
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| 日の入り後ピンク色に染まる |
グランドキャニオンに行くと、日の入りを見てそそくさと帰ってしまう人が結構いる。確かに日の入りまでのプロセスもとてもキレイだ。文句の付け所がないと思う。ただし、個人的には日の入り後も淡い色となり、これはこれでものすごくキレイだと思う。ビッグベンドもそうなのだなと実感した。
食事を済ませ明るいうちに片付ける。すべてをバックパックにつめて夕食後の散歩に出た。
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| サウスリムから眺める西の空 |
ただただ感動する。言葉を失うとはこういうことなのかもしれない。
空の色が褪せるまで、私はずっとこの空を眺めていた。勿体無くて立ち去れなかった。またこんなキレイな夕日が見れるのはいつなのだろうか?
「来てよかった」と思えた瞬間がまた一つ増えた。
空の色がようやく色あせてきた時、マグライトで照らしながらキャンプサイトに戻った。
この日は風が強かった。しかし、キャンプサイトは木に守られていたため、ものすごい風の音がしたにも関わらず、テントが揺れることはなかった。標高が高いだけあって気温は低めでなかなか寝付けなかったが、先程みたキレイな夕日や空を思い出しているうちに眠りに落ちた。
大満足の1日だった。



















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