訪問者が少ないビッグベンド国立公園では、バックパッキング出発日の1日前から受付を開始している。感謝祭やクリスマス、春休み以外の時期であればほぼ希望が通る。今回は出発予定日の前日の朝に、チソス・ベイスンのビジターセンターに出向いた。
ビッグベンド国立公園でのバックカントリーにおけるキャンプの方法は大きく分けて3つある。
である。
細かいことはまた後ほど書くとして、今回は最初の2泊をゾーンキャンピング、最後の1泊はサウスリムにした。
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| 複数のゾーンに分かれている |
基本的に場所さえ確保できればどこでもいいので自由なのだが、守らなくてはならないちょっとしたルールがある。テント設置場所は道路から最低0.5マイル(800km)離れていること。トレイル、ヒストリックサイト、水源からは最低100ヤード(30m)離れている必要がある。基本的にトレイルからテントが見えてはいけないのだ。
公園のほとんどでゾーンキャンピング可能なのに対し、チソスマウンテン内では予め用意されているバックカントリーキャンプサイトを指定する必要がある。サイト数が限られているため、混んでいる時期は希望が通らないことも多々ある。
今回は1日目はDodson(ドッドソン)ゾーン、2日目はBlue Creek(ブルークリーク)ゾーン、3日目はサウスリムのSW4と希望を出した。
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| バックカントリー許可証 |
この他にも4日間車のダッシュボードに置いておくスリップや、クマやマウンテンライオン遭遇時の注意事項が書かれた紙ももらった。
こうして無事に発行されたわけだが、実はビッグベンド国立公園の到着当日にちょっとした出来事があった。パンサージャンクションのビジターセンターに立ち寄った時にその場にいたレンジャーにOMLを歩きたいと伝えたところ、突然「なんでOMLを歩きたいんだ?」と険しい顔で聞かれた。
ただでさえアジア人訪問者が少ないビッグベンド国立公園。さらにアジア人女性なんて見かけないため、そのアジア人の女が目の前に立って「OMLを歩きたい」と言ったもんだからビックリしたのだと思う。無知に見えたのかもしれない。OMLは険しいトレイルだし、遭難者や死者も出ているし、自分ができるリサーチはかなりやったつもりだった。
なんでOMLなんだ?
そのレンジャーの反応にちょっとビックリしたが丁寧に答えた。ビッグベンドの訪問は今回が5回目であり、チソスマウンテンのサウスリムを過去2回歩き、Marufo Vega(マルフォ・ベガ)トレイルも歩いた。是非OMLに挑戦してみたい!
マルフォ・ベガトレイルを歩いたのか?それなら、きっとOMLも大満喫できると思うよ!
と、先ほどの険しい表情とは打って変わって、にっこり笑って「楽しんできてね!」と言ってくれた。正直最初の表情の変化ぶりには驚いた。そしてちょっと内面ムッとした。しかし、レンジャーがなんでこんなことを言うのかもとてもよく分かる。
少し前から友達に借りた「Death in Big Bend」という本を読んでいた。この本にはビッグベンド国立公園であった本当のレスキュー話がケースごとに書かれている。その中でレンジャーの仕事ぶりについてももちろん書かれていて、遭難者が出るとブーツのゴム底が溶けてしまう50℃以上の真夏でもレスキューに向かわなければならない。ある日は雪が降り、ある日は真っ暗闇をひたすら歩いて現地に向かうなど、とても過酷な状況が書かれている。
バックカントリー許可証を発行する前に未然に問題を防ぐことも、またレンジャーの仕事なのだと思う。おそらく、私があの場で「ビッグベンド訪問は初めてです」と言ったら、このレンジャーはきっと「OMLはやめたほうがいい」と言っていたに違いない。レスキューという作業はレンジャーにとっても過酷であり、出来る限り避けたいことなのだと思う。
出鼻を少しくじかれた感じもしたが、無事に許可証は発行してもらえた。あとは実際に計画通りに歩くだけである。


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