Peteが歩いてきた。
プリフライトでは何を見るの?から始まる。
時計回りに歩き、聞かれた質問に答えていく。いつものように細かく確認しなくてはいけないのかと思ったら、質問5つくらいで終わってしまった。
「暑いな、それじゃ、行こう。離陸はソフトフィールド、そのあとオースティンまでクロスカントリーの計画通りに飛んでください。」
まずは、Passenger Briefing。シートベルトやショルダー・ハーネスの使い方、ドアの開け閉め、緊急時の対応などを説明する。これは必須項目となっており、私も忘れずに行った。
そしてここでBefore Take-off Checklistを行う。1つ1つ、いつも通り行なっていく。ここでは質問がなかった。
タキシングではタクシーウェイに入ったらすぐにブレーキの確認。Peteにも確認をお願いする。
そしていざ離陸。
ソフトフィールド・テイクオフは100%問題ないので、いつも通りにこなす。無事に離陸。AUSへの方位を確認して、その方位に合わせる。
途中に見える町を指さして、「あれはなんていう町だ?」とか、「この下にある道路はセクショナルにもあるか?」とか、飛んでいる最中も質問される。
Zepher(ゼファー)という町に到着する手前で、方位を270に変えろとの指示。クリアリング・ターンをやったあとスティープターンを1回左回りにやれと言うので、高度を維持しながらターン。しかし、途中強風が吹き、ちょっぴりブレたものの残りの半分は安定していたのでOK。
次に3500FT、方位270を保ちながらスローフライト。そしてパワーオフ・ストール。フル・ストールまで持って行けといわれていたので、ひたすら操縦桿を引っ張る。ビビビビビーーーーッとストールホーンが鳴り響く。ガタガタとバフェットが始まる。でもまだだ。フル・ストール!バフェットを感じてから数秒で機首がガクッと落ちた。
「OK。リカバー!」と言われたので、すぐに機首を下げてスロットル全開にする。一度立てなおして、今度は3500FT、270に保って、次はパワーオン・ストール。これもフル・ストールだと思ったので、思いっきりやってみた。バフェットがすごい・・・。しかし、機首が下がる直前で「リカバー!」と言われたのですぐに機首を下げてリカバリー。
ここまでは順調。
次に、フードを被ってSimulated Instrumentに入る。
"You have flight controls"、"I have flight controls"、"You have flight controls."と操縦のやり取りを行った後、フードをかぶる。
「それでは、方位270をキープした状態で4500FTに高度をあげてください。」
ここらへんも問題ない。フードを被っての訓練は結構やった。
「Brownwood VORに向けて飛んでください。」
これも周波数を合わせ、モルス信号を聞き、その信号をセクショナルのものと照らしあわせたあと、ダイヤルをToに向けて飛ぶ。
「Fromに変わったら南に飛んでください。」
でも、なぜかFromに変わらない。しばらく飛ぶと「フードを取れ」と言うので、操縦を交代してフードを取るとすでに湖の上。
VORを通過したのにFromに切り替わらなかったってこと?よくわからないまま次の指示が出る。
「ここでTurn around a pointを見せてください。場所は自由に決めてください。」
というので、湖のちょっとした出っ張り部分を指し、そこを中心に旋回すると伝え、風の向きにあわせてキレイに円を描くように飛んだ。これも問題なし。
「それでは、Brownwood空港に戻ってください。」
むー。
湖があり、とりあえず東に飛べば空港が見えるはずだ。セクショナルと照らし合わせる。GPSもONになっていたので方位を確認する。
しかし、いまいち自分がどこにいるのか分からない。湖から空港はそれほど離れていないし、Brownoodらしき町も見えるけど空港が見えない。
真正面を見ていたけど、ふと左側を見たら空港が見えた!
「空港ありました!」とPeteに言うと、
「実は見逃すのではないかと思っていたよ。はっはっは。」と笑っている。
危うく見逃して不合格になるところだった。空港探しは得意なんだけど、若干焦った。
「着陸はソフトフィールドでお願いします。」
着陸準備に入り、高度を落として着陸。うまく行ったか?と思ったらほんの少しバウンドしてしまった。すぐにゴーアラウンド。Peteはあれでよかったと思っていたようで、「え?ゴーアラウンドするの?OK。」と不思議がっていた。
2回目のソフトフィールド。今度はバッチリ。「Full Stop」と言うので、止まると、「ここからショートフィールド・テイクオフ」を見せてくださいと指示される。
ブレーキを踏んで、フル・スロットル。そしてブレーキを離し70KTで離陸する。パターンに入ると、「今度はショートフィールド・ランディングを見せてください。狙う場所はどこにしますか?」と聞いてくる。
「1000ftマーカです」
着陸態勢に入り、1000ftマーカを目指す。実は着陸の中で一番苦手なのが、このショートフィールド。狙えてもバウンスしたり、まともな着陸ができない。しかし、狙ったところに落とせればいいので、ひたすら狙う。
1000ftマーカをちょっと超えたところに無事着陸。バウンスもせずスムーズだったので、恐らく合格だろう。そしてすぐにノーマル・テイクオフ。パターンに入る。
「次は、Slip to Landingを見せてください」
うー、これは正直あんまり練習してこなかった。スリップすると変なオイルの匂いが充満して実は数回しかやっていなかったりする。スリップはできるけど感覚がいまいちだ。でもやるしかない!
1回目は高度が高すぎ、速度出しすぎでスリップがうまくできず、そのままゴーアラウンド。2回目は速度も落とし、スリップしながら1000ftマーカを目指した。
「大丈夫だ。この着陸は決まる!」と思っていたら、「そのまま通常の着陸でお願いします」というので、スリップをやめて着陸。
タクシーウェイBを曲がれなかったので、次のタクシーウェイを目指す。
"You passed!"
この一言はとてつもなく嬉しかった。ここ最近で一番うれしかった一言だ。
滑走路を出て、ランプまで移動する。
今まで何度もやめようかと思ったことがあった。腰を痛めた時は本当に考えたけど、でもここまで来て諦めるのも悔しいので継続することにした。諦めなくてよかった。
オフィスに戻ると、Peteが白い紙を手渡してくれた。仮の免許証である。ログブックにも記入してもらい、試験が無事に終了。
リラックスした環境で試験に望むことができた。リラックスさせる時はさせ、重要なところはしっかりと厳しい顔で指示してきた。そのメリハリが良かったのかもしれない。きっとリラックスしっぱなしもダメだし、緊張し過ぎもダメ。試験官がPeteでよかったと思った。
Peteに挨拶とお礼をしたあと、ジョージタウンに戻ることにする。インストラクターにはテキストで「合格した」と一言メッセージを入れておいた。
燃料を10ガロンほど追加して、ブラウンウッドを後にした。
プライベートパイロットライセンス(PPL)をゲット その1
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