総距離55.3マイルもあるこのダートロードは、その昔モルモン教徒によって切り開かれた道路である。総勢250人、83台のフルサイズワゴン、1000頭以上もの家畜による開拓だったようだ。
このHole in the Rock(岩の穴)と呼ばれている所以は、道路を走り切ったところにあるV字型の細い割れ目から来ている。このV字の割れ目からは真っ青なLake Powell(レイク・パウウェル)が姿を現し、ちょっと感動的なスポットでもある。
この一見何もなさそうなダートロード沿いには、数々のトレイルヘッドがあり、ハイカーにとってはこの道路一本で一週間は楽しめるくらいのトレイルの宝庫となっている。55.3マイルのうち、38マイル地点まではセダンなどの一般車でも通常は通行が可能となっており、その先はダートロードの状況や運転の技量によって変わってくる。最後の数マイルは深い砂地や急な登りなどが続き、4WDおよびハイクリアランスのみが走行可能だ。
7:30AMに待ち合わせをし、少しクリアランスに余裕のある私のレンタカー1台で行き、往路は友人に運転をしてもらうことに。
目指すはHole in the Rock Roadの最東端。最後に待ち受ける景色を期待しつつダートを突っ走る!
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| 前日に撮影したHole in the Rock Road |
実は後で気づいたのだけど、道路からの景色を全くと言っていいほど撮らなかった。恐らく結構揺れたりしたのと、比較的平らな大地が続いたためだと思う。何もなくてもブログ用に撮っておけばよかったと後悔することも少なくない。
写真を見るとぱっと見、たいらに見えるのだけど、実はボコボコしている。こういう道をセダンで走るとスピードは出せずノロノロ運転になるらしい。こちらはAWDなのでペースよく飛ばす。
走っていると左に右に、トレイルヘッドの看板が見えてくる。とりあえず無視してひたすら走る。特に何があるっていうわけではないのだけど、こういうダートロードを走るのは新鮮で楽しい。36.4マイル地点にあるDance Hall Rockで車を降りてみる。
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| あ・・・あんまり面白くないな・・・この岩 |
ここからは急な登りや下り、くねくね道、岩の道、砂の道と、「これはセダンでは無理ね」っていう道を進んでいく。一部、砂が結構深かった。駐車場の少し手前に、「アーチがあります」と書かれたサインが岩に貼り付けられていたのだけど、アーチは見つからなかった。これは、Hole in the Rock Archと呼ばれているのだけど、いったいどこにあるのやら・・・。
そして、いよいよ駐車場に到着。2時間弱で到着した。
そんなに歩かないというので、帽子をかぶりデジタル一眼レフだけ持って行く事にする。駐車場にあるトレイルレジスターを見てみると、「どうやって来たか」のセクションに「ボート」と書かれていたのにはビックリ。ひょっとして、湖からアクセスしている人がいるってこと?
それでは、いよいよHole in the Rockとご対面。
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| これが、道路の名前の由来となっているHole in the Rock! |
ほぉ~。
V字の割れ目の先にあるのは、真っ青なレイク・パウエル。美しい!ちょっとだけ降りてみることにする。降りるのはそんなに大変でもなかったのだけど、危うくカメラをぶつけそうになり焦る。
しばらくウロウロしていると、湖にはボートが2隻、人が降りて、こちらに向かって歩いてきている!この急な崖を登るの?でも結構簡単に登れてしまうのか、声がどんどん大きくなる。
そして今度は崖の上まで登ってみる。
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| 上から見た景色。真っ青なLake Powellが見渡せる。 |
下にはち~~~いさくボートが見える。赤い大地、青い湖。このコントラストはユタならではだ。夕方だったらもっとキレイなんだろうな。
それにしても暑い。岩はちょっと薄いピンクっぽいので照り返しもある。駐車場方面はこんな感じ。
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| 反対側の眺め。駐車場と車が見える。基本こんな景色がひたすら続く。 |
一旦、車に戻り冷たいコーラをいただく。今までぬるい水を飲んでいた私にとって、この冷えきったコーラを飲むのは贅沢極まりない。しゅわ~っと炭酸が火照った身体に染み渡る。
Hole in the Rockも見たし、コーラでエネルギー回復したので、3つのガルチがあるDry Forkまで移動することに。深い砂地を超えたところで、運転交代!ダートロードを走る。事前に運転のコツを教えてもらったので、注意すべきところはゆっくり進み、それ以外はちょっとだけスピードを上げて走行。ダートいいね~!こういうの大好き。
エスカランテの入り口から26マイルの地点で右折し、駐車場へと向かう。結構凸凹がありながらも、実はこんな場所でさえセダンが通過していたりする。しかし、ギブアップしたと思われるセダンも路肩に止まっていたりした。駐車場に駐車されていた車は、セダンは1台もなく、すべてハイクリアランスの車のみだった。
お腹がすいたので、ここで昼食として作っていただいたおにぎりを食す。絶景を見ながら美味しいおにぎりを食べれるなんて、正直私の旅では考えられず、友人には感謝感謝!
おお~、美味しい!
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| トレイルヘッド |
お腹もいっぱいになったところでハイキングを開始する。まずは、ウォッシュまで降りたあと、一番奥にあるBrimstone Gulch(ブリムストン・ガルチ)を攻めて、そのあとSpooky(スプーキー)、最後に一番手前にあるPeek-a-boo(ピーカブー)を散策することにした。
しかし暑い。照り返しも強いし、太陽もギラギラ輝いている。さらに足場は砂地ときたもんだ。ボテッボテッと歩く。普段はそんなに汗はかかないんだけど、この時は汗が垂れてきた。
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| 炎天下の中の砂地はまるでブートキャンプ。(友人撮影) |
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| おっきな岩が詰まっている。鉄砲水によるものかも? |
入り口にはなぜか蚊がいて2箇所刺されてしまった。そしていよいよブリムストン・ガルチに入る。Brimstoneってどういう意味が分からなかったので調べたら、「硫黄」「地獄の業火」「激しい情熱」「口やかましい女」という訳が出てきた。
硫黄・・・という感じでもなかった。臭くなかったし。「口やかましい女」は違うだろうなぁ・・・。静かだったし。激しい情熱も違うかなぁ~(笑)。となると、「地獄の業火」なのか?まぁ、これは分からなくもない。
最初は肩幅くらいある岩壁も奥に進むにつれて狭くなり、途中からはバックパックが邪魔なので、空いているスペースに置き、カメラと三脚のみを持って、カニ歩きで更に奥へと進む。
| 多分Brimstone。これはまだカワイイほう。さらに狭くなる。(友人撮影) |
閉所恐怖症でない私も、閉所恐怖症になってしまうような錯覚に陥る。狭い!ちょっ、ちょっと息ができない・・・ってことはないんだけど、なんか息苦しい気がしたのは気のせいだろうか?やはり地獄の業火なのだろうか?
それにこのガルチは暗い。三脚を置いて写真を撮ろうとするも、三脚をおける場所はないので、脚をまとめて一脚のように使う。
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| 陽が差し込んだブリムストン |
ちょっと写真で見ると何が起こっているのか分かりづらいのだけど、ガルチの中はなかなか美しい。特に、少し光が入るようなところだと、影と光のコントラストがキレイに出る。カニ歩きで、カメラをぶつけないようにゆっくり歩くも、狭くて自分の体を押し込めなくなった時点でUターン。ちょっと嵌りそうになり冷や汗たらり。
来た道を引き返し、途中にあるSpooky(スプーキー)で右折する。Spookyとは「薄気味悪い」という意味である。一部はやはり薄暗く、若干薄気味悪い気がした。
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| すぷ~き~ |
Spooky Gulchも段々と岩壁が狭くなり、カニ歩きをさせられるのだけど、普通の体型であれば何とか奥までは進むことができる。しかし、最後にはデッドエンドとなる。登ろうと思えば登ることができたのだろうけど、こんなところで足の引っ掛け場所を間違えて落ちたら大変なので、またUターン。
そして、最後にPeek-a-boo(ピーカブー)である。Peek-a-booを訳すと「いないいないばあ」である。よくお母さんが自分の顔を両手で隠して、赤ちゃんに「いないいない・・・・ばあぁ~」ってやるけど、アメリカ人もまったく同じ事を「ぴーーか・・・ぶぅ~~~」とやる。最初見た時は、なんじゃこりゃ?と思ったものだ。
というわけで、ここでは「いないいないばあ」をやってみようと思っていた。
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| いないいないばあガルチ |
ガイドブックには、入り口の20フィート(6m)を登れば「あとは楽勝だ!」的なことが書いてあった。この20フィートの登りは、足掛け用にサンドストーンが少し削られており(ハイカーが登っているうちに自然に削られたのだろうけど)、何とか登ることができた。雨が降ったようで、足元にはぐにゃぐにゃの泥があったけど、うまく回避。
あとは楽勝だと思いきや、このピーカブーが一番難易度が高かった気がする。スリックロックなのでいくらグリップの効くハイキングブーツを履いているとは言え、滑る!!腰のせいで足が思ったようにあがらない私は、友人に引っ張り上げてもらったりと迷惑かけっぱなし。こういった難易度の高いところが7箇所ほどあった気がする。
岩を乗り越え乗り越えやっていたので、「いないいないばあ」のことなんて忘れてしまった。写真もカメラをバックパックにしまったりしたので、あんまり数がない。
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| ピーカブー・ガルチ |
確かに、「いないいないばあ」ができそうなスペースは山ほどあった。でもちょっと疲れてしまった。さらに奥に進むといたずら書きがあった。
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| なにこれ?迷惑なのでやめましょう! |
なぜ、キレイなナバホ・サンドストーンにこういうことをするのだろうか?ここに名前を彫る意味が分からない。こういうのを見ると本当にイライラする。「あんたの名前なんて見たくもないんですけど!?」と一言言いたい。
さて、美しいガルチは続く。しかし、「もう、ここまででいいよね・・・」ということになり、途中登れそうなところでガルチの上へ出た。
そしてそのままトレイルヘッドへ向かう。
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| ケルン! |
ケルンを追いながら歩く。陽はだいぶ低くなっていた。最後の登りはちょっぴり大変だったけど、砂地よりはまだマシである。ようやく登りきり、ゴール!
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| 上から見ると、特別面白そうとは思えないけど、降りると色々あるDry Fork |
上から見てみると、なんとなく自分が歩いたところはわかるけど、歩いていなかったら「ここに何があるんだろう?」って絶対に思うような、変哲な場所に見える。しかしながら、実際に歩いてみると、実はガルチがいっぱいあったりする。
ここでちょっと休憩。あまいお菓子をいただく。靴も履き替え、汗を拭きリラックス。その後、エスカランテに引き返す。
夕飯は、Escalante Outfittersのピザがとても美味しいと読んだので、ここでピザと地ビールをいただくことにする。アペタイザーはチップス&サルサ。ビールは、なんか一夫多妻制みたいな変な名前のローカルビールだった気がする。
ピザは確かに美味しかった。アメリカのピザはペパロニとチーズが大量に乗っていて、3口食べると飽きるのがほとんどだけど、これはちょっと上品な味がした。でも食べきれなかったので、残りは翌日の朝食にすることに。
たくさん歩いたので、また膝が腫れているも、今日もキレイな景色をたくさん見れた一日だった。またバタンキューで寝てしまった。
8/11/2012 - ザイオン国立公園に向けていざ!
8/12/2012 - 念願のSubway
8/13/2012 - ザイオン・ナローズを歩く
8/14/2012 - はじめてのエスカランテ
8/15/2012 - Hole in the Rock Roadの果て
8/16/2012 - ダートロードでスタック
8/17/2012 - 真夏のBuckskin Gulch
8/18/2012 - 2回目のThe Wave当選
8/19/2012 - グランドキャニオン・ノースリムと雹
8/20/2012 - もう一つのWave、それはFire Wave















本当にいろいろなガルチがあるんですね。 4Wを借りて走って、ある程度のトラッキングを覚悟すれば無限の自然の宝物に会えるのがこの地方ですね。
返信削除写真を見てとっても満足です。
また続きを楽しみにしています。
私も一気にこれだけ歩いたのは始めてです。
返信削除こういう所が山ほどあるんだろうな~って思いました。このあたりは特に地形がユニークというか、面白い場所が多い気がします。